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女4人寄れば

「で、あんた精霊付きだったのなんで黙ってたのよ」


 王都が見えなくなった頃、サラがエルフとの戦闘のことを尋ねてきた。

 さっきので終わってればキレイに終われたのに。


「えーと」

「あたしだけじゃなくミゥルも見てるから気のせいとかじゃないわよ。大方あたしが金儲けに利用しそうとかそんなとこでしょ」

「いや、今までいう機会が……」

「ならなんで今まであたしのレベルアップは教会でやってたのよ」

「ごめんなさい」

「まあいいわ、あんたと組んでまだ半年経ってないんだしそこまで信用されてるとは思わないわよ。それより今度からはあたしたちの分もあんたの精霊を呼んでよね。あ、せっかくだから今呼んで見なさいよ」

「ミゥも精霊見てみたい」


 フォルテは黙ってるが期待した目で見てるな。

 まあ、知られた以上隠す必要もなくなったしいいか。


「そうだな、ついでに皆が『レベルアップ』できるか確認してみるか」

「呼ばれて飛び出てレベルアップ~。ダイくん、久しぶりなのにさっきは酷いよ~」


 結局、森では話どころではなかったのですぐに帰ってもらったのだがそれに腹を立てているようだ。


「いや悪いこっちにも事情があったんだ。改めて紹介するよ、彼女はレベルアップの精霊チェロラウフ、こっちは俺の仲間で」

「マジックユーザーのサラよ、今度はあたしのレベルアップもよろしくね」

「ミゥはミゥル・ラウファークス、精霊は初めて見る、ふわふわだな」

「私は皆様に仕えさせていただいておりますフォルテ・ファーウームスと申します。チェロラウフ様、お見知りおきを」

「よろしく~わたしのことはチェルって呼んでください~」


 チェルと仲間たちとで簡単な自己紹介を交わす。


「それにしてもダイくんにもやっと仲間ができたんだね。みんな、これからもダイくんと仲良くしてあげてね~」

「ちょっ、やめろよ、オカンかよ!」


 何を言い出すか判らんなコイツは。

 とっとと用件を済ませて帰ってもらおう。


「よしチェル、皆のレベルを見てやってくれ」

「え~もっとお話したいな~。なんかダイくん早く帰そうとしてない?」

「い、いやそんなことはないよ」


 少し拗ねながらもチェルに皆の経験値を確認してもらう。なお、名前の後に記されているのはそれぞれの才能だ。


 サラ レベル12/76

 ・記憶力(良):物覚えがよい、1万字程度の文章なら1度見れば覚えることが出来る。

 ・攻撃魔:攻撃魔法の威力を20パーセント上昇させることが出来る。

 ・魔力上昇x2:魔法行使時、魔力にレベルの2倍分の値が追加される。

 ・裁縫:裁縫に適正があり上達が早い。


 ミゥル・ラウファークス レベル1/7

 ・森の民:屋外にいる時は20パーセント、更に森ならば50パーセント回避・命中が上昇する。


 フォルテ・ファーウームス レベル25/52

 ・エルフ:同族とパーティを組むことで人数の0.1倍能力が上昇する。

 ・弓術:弓に適正があり上達が早い。

 ・魔力耐性:魔法などの魔力を使用した術、道具、薬などに対する耐性が高い。


 光野大地 レベル113/1000

 ・ボーナスポイント+4:レベルアップボーナスポイントに4追加される。

 ・経験値x100:経験値取得時に100倍に計算された値が取得される。


 レベルが上がったのはサラのみ、俺は5回レベルアップ可能なのだが保留とした。

 しかしサラ、才能4つか凄いな、ひとつ冒険に関係ないのあるけど。

 一通り確認してもういいかと思いチェルを帰そうとしたときサラが突然叫びを上げた。


「ちょっと!なによそのレベル、でたらめじゃないの!」


 ああ、これも説明しないとまずいのか。





「むーよく分からないがダイチが凄いということは分かったぞ」

「戦士たちが容易く蹴散らされたわけです」

「ふざけんじゃないわよ、救国の英雄フォルグレイでも晩年になってやっとレベル上限の99に到達したって言われてるのよ! それをあっさり越えた上さらにレベルの上限が1000あってそれに必要な経験値も多く貰えると?!」


 ミゥとフォルテは素直に受け入れたがサラは納得がいかないようだ。

 まあ人より楽して強くなれる能力だし真面目にやってりゃ腹も立つよな。


「まあその分能力値が低くかったからその分ってことで」

「んな訳あるか! 現時点でアンタはベテランの戦士並の強さなのよ、それがさらに上がるとしたら……」


 そこでサラは黙ってしまった。


「おいどうした?」


「いや、まあちょっと納得いかないけど別に怒ることではないかなって。とりあえずアンタが強いほうが安心だし、納得いかないけど」


 納得してないじゃん。


「あの皆様、そろそろ急がないと日が暮れてしまいます」


 このままサラの愚痴に付き合わねばならんのかと思っているとフォルテが助け舟を出してくれた、ナイス。


「そうだな、早く村に着かないとこのままじゃ野宿になる。先を急ごうか」

「あ、もう行くの? じゃあまた呼び出してね~」

「ああ、また」


 そう言ってチェルは消え、俺たちも歩き出す。


「なんか、どっと疲れたわ。さっさと村まで行って休みましょうか」


 サラが先を歩いていく。

 お前を仲間にしてから3ヶ月くらいしか経ってないのに随分いろんなことがあった気がする。

 怠け癖のある俺を引っ張ってくれて感謝してるよ、本当に。


「まて、ミゥもいく!ダイチ、先に行ってるぞ!」


 ミゥがサラを追い越して駆けていく。

 俺に対してストレートに好意を示してくれて気恥ずかしくもあり嬉しくも思う。

 済まないがハッキリとした答えが出るまでもう少し待ってて欲しい。


「ダイチ様、どうしました?」


 先を歩いていたフォルテが足を止めて声を掛けてきた。

 どうやら俺が動くのを待っててくれたみたいだ。

 彼女とは昨日知り合ったばかりでまだ良くは知らないがいい仲間になれればいいと思う。


「いや、なんでもない。置いてかれないよう俺たちも行こう」


 そう言って俺は仲間たちを追いかけるように歩き出す。


これでガーフォード編終了です。基本的に彼らは様々な国を旅するような話を想定しています。現在、翠稜皇国編は1割ほどしか出来ていないため次の更新は大分先になりますが、そのときはまたよろしくお願いします。

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