この世界の始まり
新シリーズ始めました。更新はのんびりしたものとなります。
この世を作ったのは、創世神である。
天に天界を作り、まず宮を設けた。
そして、男女一対の神を生み出した。
これが初代天帝と天后となった。
天帝と天后は、一人の男子と五人の娘を設けた。創世神は、子供達の遊び相手として、生き物を生み出した。
麒麟、龍、鳳凰、虎、亀。
彼らは神力を用いるときは原型でなければならなかったが、神々に普通に相手をするときは同じ神形をとることができた。
そして成長した天帝の娘達は、彼ら神獣を伴侶に迎えた。創世神は彼らの為に、天界に五つの大陸を作った。
天宮の真下に麒麟。
それを中心に、東に龍、西に虎、北に亀、南に鳳凰。
後に、中央、蒼龍、白虎、玄武、朱雀と家名がつき、多くの神々が生まれた。
天界は、多くの神々に支えられ、順調に発展していくはずだった。
問題が起きたのは、初代天帝が崩御したときだった。
後継者は一人息子が皇太子と決まっており、かれが二代天帝となるのに天界中で異論を唱える者はいなかった。
問題は、后だった。
二代天帝は、五人の妹がそれぞれ産んだ娘達を平等に妻に迎えた。
だが、天后となるのは一人。
誰が天后になるか。それで諍いが起きた。
長女であることを理由に自分の娘を天后に推す中央家。それに他の四家が反抗した。そして、その四家も、自分の娘を天后に推すことで、五家が争うことになった。
これが後の世に言う『代替わりの戦乱』の始まりだった。
己の欲に支配された神々達は気がつかなかった。
天帝の死に隠された天后の行方と。
いつの間にか姿を見せなくなった創世神の行方を。
そして、時は過ぎていった。