姉探しをする男
これね、こえ部のほうでの活動で、診断!あなたの声のキャラはこんなの!
みたいな投稿した中にあったんですよ。
坂本想平の前半のセリフはその方が作った台詞そのままです。
ため息の部分は違いますが…
大学の講義が終わると俺の友人である坂本想平は俺の背中を叩いて横並びに歩く。
大体、こんな感じに始まると内容は大体妄想だ。
「はぁ、いやさぁ、もう3年ぐらいたつんだけど」
この台詞は、何度か聞いている。
前回は一週間前ぐらいだ。
どういっても、返しはほぼ変わらないので
「何が?」
と適当に返事をする。
すると、彼は急に立ち止まる。
僕は彼のする行動は両腕を広げるとわかっていながらも見てみる。
案の定、両手を広げてきりっとした顔で
「姉が見つからない」
と空を見上げながら言った。また始まったかと…冷たいまなざしで彼を見る。
そういった目で見られていると気づいた彼は両手を広げたまま
「なんだその顔は」
そんな目でオレを否定するんじゃないといいたいような雰囲気で言った。
「いやお前に、姉いたっけ?」
と妄想だとわかっていながらも、半分面白いので相手に問いかけるような返しをした。
「いやさ、確かに実の姉はいないさ」
何か、悲しそうな顔持ちでまた空を見上げるような形で答える
「でも、血の繋がってない生き別れの姉はいるかもしれないじゃん」
台詞の途中から俺に問いかけるように、一歩前に出てオレに向けて左手を広げたまま腕を伸ばし
左手で腰を抑えてかっこつけるような恰好をとった。
そうなると彼は、誰からの返事を待たずに一人妄想に走り話しかけてくる。
そんな彼は、姉がいたとしても、その姉でも止められないだろう。
というより、その姉に逃げてと言いたくなる……。
「生き別れの姉と再会して、おねぇちゃーーーんって、言いながら抱き付きたいんだよ。
俺は」
そういいながら、彼は誰もいない空間で抱き付く演技をする。
はたから見るとシュールではある。
まぁ、それが面白いんだが……。
彼はこちらの様子をうかがうことなく妄想に走っていく。
「もう感動の再会じゃないか!」
とまた両手を広げこちらに熱く語りかけてくる。
さっきから、俺のまなざしは冷たいというのにだ…
「なんだその眼はおまえバカにしてんのか?」
妄想に走り出してから、俺の表情は変わってないのに2度目のバカにしているのか発言である。
「やはり、バカだ…」
思わず口から出てしまう。
だが、彼は怒ることはない。
妄想モードが終わるまでは本気で怒ったりしないのだ。
というより、ちゃんと聞いていないのだろう。
彼は、俺を軽くねたむようなまなざしをやり返すかのように向けて
「いいよな、そうやって実の姉がいる奴はよぉ」
急に手を握り締めはじめ、丸めたこぶしを見ながら
「俺みたいによ夢を見ている青年はこの世界に何百、何千、何万、何億といるんだ」
熱く言い始めた。そして、丸めたこぶしまま、手を挙げ…
「そういうやつのな、お前は敵なんだよ!わかってんのか!」
と言いながらビシッ!と人差し指を立ててこちらに向けた。
友人に指さしをしたことにきづいたのだろうか。
伸ばした腕を瞬時に引っ込める。
そして、彼は冷静さを取り戻し元の自分に戻ろうと一呼吸置く。
「すまん、ちょっと暑くなりすぎた。つーことでちょっと姉を探してくる んじゃ、バイビー」
何かを思い出したかのように、何かを追いかけるかのように、指を二本立ててカッコつけて去って行った。
「あいつ、顔はいいのに…」
俺は教授への提出物を出しに行った。
教授がいる部屋には、誰もいないうえに物音一つもたっていない本当に静かな空間だった。
俺はその状況をラッキーと思い、提出物を教授の机の真ん中に置き早々と去った。
客が来るまでの間、ジュースを飲んだりちょっとした食べ物を買って食べたりした。
客のためのお菓子の類も買って待ち合わせ場所まで足を運んだ。
待ち合わせ場所には、自分と会う客がいた。まだ、来ないかとキョロキョロしている
その客、いや、女性は人を探すのが不得意だ。見えるところまで来ているのに見つけれないのだ。
俺がその女性に向かって声をかけようとすると、左のほうから何か見覚えのある人が両手を挙げて俺の客である女性に向かって突進していた。
しかも、
「おねえちゃーーーーん、あいたかったよ!おねえちゃーん!!」
とものすごく叫びながらだ。
その突進してる人は……さっき、会っていた友人の坂本想平だった。
俺は何度も思ってはいるのが、あいつまだ探してたのかと再度、呆れ返った。
突進されそうな女性は、まぁまぁの力を持っていることを知っているから傍観することにした。
「え!?だれ!?」
声のする方へ女性は振り向く、すると女性に向かって突進してきてる背の高い男性がいる。
急に迫ってくる人に恐怖を感じる、男性が抱き付こうとしてくる寸前。
「きゃあああああああああああああ」
と叫びながら男性を2mほど突き飛ばした。
「痛い、痛いじゃないかおねえちゃん。やっと、やっとおねえちゃんに合えたんだよ。僕を忘れたのかい?」
突き飛ばされた奴は訴えかけるようなまなざしを向けながら、
助けを乞うように突き飛ばした女性に手を伸ばしながら
言った。
その女性、俺のお姉さんなのに……何やってるんだ。あのあほの友人は…
俺はめんどくさいが友人と姉を助けるために間に入ることにした。
コメディーって初めてなんだよねー
というか、これコメディーなん?
違うだろ・・・