三曲目
毎日更新がんばるつもりだったけど、三日坊主で終わったww
「じゃあ、そうします」
言った後で、まずい事を言ってしまった気がした。
そして、これまでの事が走馬灯のように思い出される――――――。
「貴様なのか?」
「は?」
「だから!最近この辺りをうろついてるだろ、このたわけっ!」
「うろついてませんけど」
初対面でたわけ呼ばわりされたの、初めてだったなぁ。
たしか、何故か片手で大剣を持って振り回してたっけ。
「無礼ものっ!こいつを牢屋に入れてしまえっ!!」
せっかくの美女が台無しだった・・・。
そこまで思い出したところで、はっと我に返る。
「じゃ、三日以内だっ!三日以内に探し出してみろ!!」
「はあ」
「もし見つけ出せたら、釈放してやるついでに、お前も仮面舞踏会に入れてやるからな」
「はあ」
「ちゃんと聞いてるのか、貴様!もっと気の効いたことは言えないのかっ!」
従順さをアピールしてたのに気付いてないっぽい。
というか、この人短気だ。
「ええい!もういい!とっとと行けっ!」
結局オレは洞窟の出入り口から見張る事になった。
隣にはAがいる。
こいつは可哀想なことにオレを見張るために仕事から外されたらしい。
本名は、たしかドニなんとか。ドジな奴にはピッタリな名前、とか思ったりしたけどそれは言わない方がいい。
「思ったんだけど、ここで見張ってるより外に行ったほうがいいんじゃないの?」
「はあ?何でっすか?」
「いや、なんでもない」
頭も悪いらしい。
オレはただそっちの方が広範囲を見渡せるし、あと同じ目的の奴だと勘違いして、そいつが俺達に対して油断してくれるかな、とかいう期待もあるから提案したのだが、全く分からないらしい。
「ま、別に逃げないんならいいと思うっす」
「もし見張ってたら、オレ達がこっち側の人間だってばれるだろ。だから、今日はここで待機するだけにしよう」
「そうっすね」
オレ達は夜まで見張りを続けた。
人間、気配と言うものを出していると聞いたことがある。
でも、その気配さえ感じないって、一体何でだろうか?
牢の中でも一晩中考えてたけど、結局遠すぎて感じなかったんだという事にしておいた。