その3 義妹の強しその姿
琴音の格好は俺のハートをわし掴みモンだった。上半身は水着の様。下は制服と同じ長さのスカート。ついでに腰には2本の剣も拵えていた。剣を構えていてこんなに可愛いのって凄げぇな。
「隼くん..........何故?」
俺を見つけた琴音は酷く動揺していた。しかし直ぐに魔物の存在に気付き意識を集中させている。ノックオンしたら忽ち真剣な目付きになる。
「説明は後で聞く。隼くん下がっててね、とりあえずヤッちゃう!」
今までに見た事無い彼女の勇敢さに俺はビビっていた。妹は正直何時も天然なのかと思っていたからだ。魔物はターゲットを俺から琴音へと変えたようだ。
...琴音が剣を抜いた。そして剣から光りが射す。彼女はその光が集められる様に身に纏った。
「しぇるだぁ!」
可愛らしい声と共に凄い音がして、妹はその音の共に動き出す。同時に魔物も妹に向かう。共に走ってすれ違う、一瞬の出来事。
両者触れていない。...と思ったのだが、魔物は倒れた。一体2秒の間に何があったんだ…?俺には彼女達の動きが見えなかった。
「え……?」
俺の目では到底何が発生したのか分からなかった。
「見えない空間のエネルギー(波動)が宿ってるの、コノ剣には。」
波動...とか何だか知らんが剣と魔物は当たっていない。どうやって倒したんだ?
「...でも魔物に触れていなかっただろ?」
「だぁかぁら!剣先で切ってないの。剣の波動(剣の見えない波の様なモノ)でヤったから触れていないの。
剣先の刃物で切るのは古い考えだよ?」
どういう事だ?剣の刃先では切っていない...。波動で?
「魔法...」
「そうそう!魔法に近いカモ。」
呟いただけなのに琴音は聞き逃さなかったようだ。
要するにこう言う事らしい。刃先では切ってないらしく、波動で倒したらしい。そして波動は魔法の一部だそうだ。
結構すんなり受け止めちゃっているが、俺はスッカリ重要点を忘れていた。琴音のせいでココに来たのは間違い無いだろう。
「琴音、俺は何故此所にいるんだ?」
「う~~ん。教えて欲しかったらぁ、どうしよっかなぁ~?」
来た...琴音小悪魔モード!天然一筋のはずな琴音が急に小悪魔系女子に変わる、そのギャップで惚れさせる事の出来ない男子など居ないだろう。それくらい超絶可愛いのさッ!
次回!主人公が何故此所に来たのか証される(かも)