その10 まさかの俺最強
『隼…!目を覚まして!!』
遠くの方で俺を呼ぶ声が聞こえて木霊する。意識は朦朧とした中でも一応有るが、体は金縛りに遭った様に動かない。不思議と遠かったその声は段々近づいてくる気がする---
「隼ッ!!」
俺は泣きじゃくる声にはっと目を覚まし、すぐ側で皆が泣いている事に気付いた。
「し…シオーーーン!!!」
皆が俺に抱きつく。皆本気で心配してくれたようだ。俺はソレが凄く嬉しかった。女子は良しとして…ロイ、お前は離れてくれっ!キモイから、マジ。
「心配させないでよッ!私の責任になるかと思って心配してたんだから!」
ま・マリーさんの心配所、そこですか…。しかし女子とは何故こんなに甘い臭いなのだろう。それぞれ特有の甘いにおいが俺の鼻の中に刻まれる。
「じゃー魔法レッスンいくよ~?」
「休ませてくれねぇのかよ!!」
俺死にかけたんだぜ?異世界じゃなかったら死んでますよ?俺。異世界は結構なんでも有りなんですよね~。
「じゃぁ、簡単なヤツからね。」
マリーさんは基本的に思いついたら止まらない。俺には止めることが出きそうに無い。
○…○…●…●…○…○
「火を造作して、それで攻撃する一番簡単な魔法からいこうかしら?因みに魔法はランク別にされていて、この魔法はFの最低ランク。
一応FECBASの順に形成されていて、私やマリアはS使えるけどこのギルドでもSランク魔法を使えるのはごくわずかなの。……そーね。火を作りるイメージで念じなさい!」
火を作る…か。俺は自分の思った通りに火を念じる。
すると、俺の手の平から青白い光が形成される。
「…!?」
周りは騒がしかったのに、それと共に静まりかえった。ギルド内が沈黙になるのは本当に珍しいのだ。そして、皆俺を見ている気がする。驚く様にマリーさんも俺を見ていた。
青白い光は瞬く間に大きくなり、やがては渦を巻く。…のだが、すぐに消えてしまった。
「……貴方には才能が有りそうね…」
ぽつりッとマリーさんは言った。
「お前…」
「まじかよ…」
まだキャラとしては出ていない脇役共がヒソヒソ話している。今の…そんなに凄ぇのか?
「隼、よく聞きなさい。今の…光はランクSの最強魔法。『正式名Satan Seal』と言って皆が知っている魔法なの…。」
「そうなのか…。」
そんな事言われても…何ソレ。俺最強って事?