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呪いをかけられた王子を助けたら愛されました  作者: Karamimi


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第2話:王宮に向かいます

 翌日、準備を整え王宮へと向かう。


「ティア、あなた本当に大丈夫なの?いい、殿下に無礼を働くのではありませんよ」


「そうだぞ、お前は魔力の研究ばかりしていた為か、他の令嬢の様な愛想がないうえ、思った事をズケズケと言ってしまうデリカシーのないところがあるからな…僕は心配でたまらない」


 お母様とお兄様が、心配そうに私に語りかけている。それにしても2人とも失礼ね。私を何だと思っているのかしら?


「2人とも心配はいりませんわ。私はこれでも伯爵令嬢なのです。しっかり令嬢としてのマナーは叩き込まれていますから。そもそも今回は、リベリオ殿下の呪いを解くために王宮へと向かうのです。無礼を働く事もありませんわ」


「それならいいのだけれど…」


 まだ心配そうな顔で、お母様が私を見つめている。


「とにかくお母様やお兄様が心配する様な事はしませんから。それでは行って参ります」


 お父様と一緒に、馬車へと乗り込む。


 リベリオ殿下か…確か私の1つ上で、令嬢たちがキャーキャー騒いでいたっけ…銀色の髪をしていた様な気がするが、正直顔が思い出せないわ。王太子殿下の顔なら、かろうじて思い出すのだけれど。


 そんな事を考えているうちに、王宮に着いた。すると、男性がすぐに出迎えてくれる。


「ティア様ですね。お待ちしておりました。陛下と王妃殿下、王太子殿下がお待ちです。どうぞこちらへ」


 何と!王族が集まって伯爵令嬢の私を待っているだなんて。さすがに顔が引きつる。そんな私にはお構いなしに、王族が待つ部屋へと案内した男性。お父様と一緒に、部屋の中に入って行く。


「国王陛下、王妃殿下、王太子殿下、お待たせして申し訳ございません。娘のティアでございます」


 お父様が挨拶をした。いつも締まりのない顔をしているお父様が、今日はびしっとした顔をしているわ。て、今はそんな事どうでもいいわよね。私も挨拶をしないと。


「陛下、王妃殿下、王太子殿下、ティア・ファリスティと申します。どうぞよろしくお願いいたします」


 久しぶりにカーテシーを決める。これでも私は伯爵令嬢だ。これくらいの挨拶は、なんてことない。


「おお、ファリスティ伯爵、ティア嬢、よく来てくれたな。それじゃあ、早速リベリオの元へと向かおうと言いたいところなのだが…リベリオを姿はなんと言うか…正直妖怪の様な姿をしているのだが…」


 言いにくそうに陛下がブツブツと呟く。


「父上、そんな曖昧な言い方では伝わりません。ティア嬢、せっかく来ていただいたのだが、リベリオははっきり言って、昔の面影が全くない程、恐ろしい顔をしている。メイドたちが悲鳴を上げて逃げていくほどに…だから、もしリベリオの美しい姿を思い描いているのだったら、今すぐ帰ってもらった方がいいかと思う」


 真っすぐ私の方を見つめ、そう告げる王太子殿下。


「私は…正直リベリオ殿下の容姿には興味がありませんわ。どちらかと言うと私は、殿下にかけられた呪いに興味があるのです。ずっと魔力の研究をしてきましたので。それから、父からはもし殿下の呪いを解いたら、私を特例で王宮魔術師にして頂けると聞いたのですが、本当でしょうか?」


「コラ、ティア!申し訳ございません、娘の無礼、お詫び申し上げます」


 なぜかお父様が、慌てて頭を下げている。私、そんな失礼な事を言ったかしら?


「伯爵、頭を上げてくれ。ティア嬢の気持ちはわかった。もちろん、リベリオの呪いを解いてくれた暁には、君を王宮魔術師として受け入れよう」


 王太子殿下がにっこりと笑ってそう言った。どうやら王宮魔術師の件は本当の様だ。これは何が何でも、リベリオ殿下の呪いを解かないと。それにしても、リベリオ殿下にかけられた呪いって、どんなものなのかしら。ワクワクしてきたわ。


「それじゃあ、早速リベリオの元に向かおうか?」


 陛下と王妃殿下、王太子殿下に連れられ、お父様と一緒にリベリオ殿下の部屋へと向かう事になった。でも、なぜか王宮の外に出てしまった。一体どこに行くのかしら?


「実はリベリオは、呪いをかけられたショックで、離宮に閉じこもっていてね…ほら、あそこにリベリオがいるんだよ」


 王太子殿下が指さす方向には、立派な建物がある。あれが離宮か。本宮には劣るが、それでも立派だ。


 その時だった。


「「「キャァァ」」」


 悲鳴を上げて、メイドたちが泣きながら屋敷から出てきた。どうやら魔力で攻撃された様で、腕から血を流している。


「君たち、大丈夫か?」


 王太子殿下がメイドに近づき、自ら治癒魔法をかけている。


「ありがとうございます、王太子殿下。実はリベリオ殿下が暴れておりまして…申し訳ございません、これ以上リベリオ殿下のお世話は出来かねます」


 メイドたちが涙を流しながら、王太子殿下に謝っている。よほど怖い思いをしたのか、小刻みに震えている。


 ちょっと…

 リベリオ殿下って、一体どんな人物なのよ…メイドに攻撃魔法をかけるだなんて。


「分かったよ…とにかく、本宮で詳しい話を聞こう。悪いが彼女たちを本宮で休ませてやってくれ」


 近くにいた護衛騎士たちに指示を出す。


「見苦しいところを見せてしまったね。それじゃあ、行こうか」

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