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呪いをかけられた王子を助けたら愛されました  作者: Karamimi


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第19話:そんな恐ろしい呪いがかけられていただなんて

「ダラス様、もったいぶらずに教えてください。一体どんな呪いがかけられているのですか?」


 中々話してくれないダラス様に訴えかけた。他の皆も、真剣な表情をしてダラス様を見つめている。


「もう1つの呪いは、全ての呪いを解いた者に、今まで解いた呪いが全て乗り移るというものだ。そう、ティア、君に殿下にかけられた呪いが、全て乗り移るという事だよ」


「私に呪いが…」


「それも厄介な事に、この呪いは存在を隠してかけられるため、下手に優秀な魔術師の場合、最後まで理解できないというものだ。その為、この呪いが最後まで残り、結果的に殿下の呪いを解いた者に、全て降りかかる様になっている。これほどまでに高度な呪いをかけるだなんて…」


「そんな恐ろしい呪いがかかっているのですか?それじゃあ、好きな令嬢に一生振り向いてもらえない呪いを解いたら、ティア嬢は…」


「殿下、そんなにも悲しそうな顔をしないで下さい。呪いを解く順番を間違えなければ、大丈夫ですよ。先にこの“全ての呪いを解いた者に、今まで解いた呪いが全て乗り移る”という呪いを解いてしまえばいいのです」


「本当に先にその呪いを解けば、ティア嬢に僕の呪いが移る事はないのですよね。本当ですね」


「ええ、大丈夫ですよ」


 ダラス様の言葉を聞いて、ホッと胸をなでおろすリベリオ殿下。私の事をそこまで気にかけてくれるリベリオ殿下の気持ちが、なんだか嬉しい。


「それじゃあ、早速呪いを解いていこう。ティア、君も手伝ってくれるかい?」


「はい、もちろんです」


「それじゃあ、この魔法陣を書いて欲しい」


 ダラス様に渡された本に書かれている魔法陣は、今までに見た事もないかなり複雑な形だ。これはどうやって書けばいいのかしら?


 う~ん…


「ティア、失敗してもいいから書いてみなさい」


「分かりましたわ」


 イラストを頭に叩き込み、ゆっくり魔力を込めながら書いていく。すると、書いた魔法陣が浮き上がった。


「よく書けたね、えらいよ」


 そう言って私の頭を撫でるダラス様。もう、すぐに子ども扱いするのだから。


「それではリベリオ殿下、この魔法陣に入って頂けますか?」


「ええ、分かりました」


 恐る恐る魔法陣の中に入る、リベリオ殿下。すると、ダラス様が何やら呪文を唱える。その瞬間、リベリオ殿下から何やら黒い靄の様なモノが体から出ていき、スッと消えた。あの黒い靄の様な物が、呪いだったのだろう。あの様な呪い、初めて見たわ。


「これで今まで解いた呪いが全て乗り移るという呪いは解けたよ。後は最後の呪いを解くだけですね」


 ダラス様は再び呪文を唱えだすと、いつもと同じように何かが割れる様な音が聞こえる。


「リベリオ殿下、これであなた様の呪いは全て解き終わりました。それからティア、自分で呪いを解きたいと思う気持ちは素晴らしいが、今回の呪いに関しては、もう少し早く私に知らせて欲しかったよ。次からはもっと早く相談するんだよ。分かったね」


「はい、分かりましたわ…」


「ダラス殿、ティア嬢を怒らないでください。彼女は僕の為に一生懸命動いてくれたのです。だから、ティア嬢には本当に感謝しています。もちろん、あなたにも。2人とも、本当にありがとうございました」


 私達に向かって、リベリオ殿下が頭を下げた。


「礼儀正しい王子様ですね。どういたしまして。それから国王陛下、少しだけお話をしたい事があります。よろしいでしょうか?」


「もちろんです。それにしてもさすがティア嬢の師匠で、キブリス王国の王宮魔術師長をしているだけの事はありますな。こうも簡単に、呪いを解いていただけるだなんて。本当にありがとうございます。私共もゆっくりおもてなしをしたいので、どうかこちらへ」


 陛下がダラス様を連れて、そのまま王宮内に入って行ってしまった。その後を、嬉しそうに魔術師たちも付いて行くのを見届けた。ダラス様ったら、一体陛下に何の話があるというのかしら?


「ティア嬢、改めてお礼を言わせてほしい。本当にありがとう。これで全ての呪いが解けたよ。まさか最後にあんな恐ろしい呪いがかかっていただなんて」


「リベリオ殿下、全ての呪いが解けてよかったですわね。これでやっと、元の生活に戻れますわね。私も、伯爵家に帰りますわ」


「その事なんだけれど、2週間後に夜会があるだろう?それまでは、離宮にいてくれないかな?いずれ君は王宮魔術師になるのだろう?それなら、本宮も案内したいし」


「でも、呪いを解いた今、さすがに私がこれ以上お世話になるのは…」


「その点は既に両親や兄上たちにも話してあるから、大丈夫だよ。後2週間だけ、ね。お願い」


 リベリオ殿下が必死に頭を下げている。ここまで言われたら、断る事なんでさすがに出来ない。


「分かりましたわ。では、後2週間、お世話になります」


「よかった、それじゃあ、早速王宮を案内するよ、行こうか」


 いつもの様に手を握って歩き出すリベリオ殿下。大きくて温かい手…いつも握っている手なのに、何だろう、いつもよりもドキドキして心臓の音がうるさいわ。


 私の心臓、どうしちゃったのかしら?

次回からしばらくリベリオ視点です。

よろしくお願いします。

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