どしたん話聞こかー、あーうんうん、それは彼氏が悪いわ 俺ならそんな思いさせへんのに お前は妹みたいなもんやし手出すわけないやん 守ってあげたいし後輩にそんなことするわけ…って言ってくる人がいるのだが
1話OKB
校門を抜け朝日の抜ける階段を変わらず上がっていくと真っ直ぐの廊下が目に入った。左に見える他クラスの生徒を横目に端にある自分のクラスへと進み歩くと窓に反射しながらも2人の影が見えてきた。昨日忘れてしまったワークがわざとらしく少し顔を出している。
机の横には1か月ほど前には見ることがなかったのが嘘だと思うほどに日常と化してしまっている。
そこにはOKBが座っていた。まるまると見える背中にはあまりにも飽きれて笑ってしまう。
「どしたん話きこか?うんうんそれはMZが悪いは俺だったらそんな思いさせないのに お前は妹みたいなもんやし手出すわけないやん 守ってあげたいしお前にそんなことするわけないやん」
そう言うOKB に便乗し見てくるのはINTKだった。
「ダルイ」
肩にくるバックを置こうとしても置くことができなかった。
「マジでじゃまやって」
「ヤリマスネ!」 「ヤリマスネ!!」
話のさなか朝休みという時間は今年の梅雨のように過ぎていった。
次第に授業が始まりあまり好きと言えない国語が始まった。正直何でするのかよくわからないところがあった。
「世界はうつくしいと ここはテストに出ますよ!キレイは表面的に物など清潔感をあらわすものですがうつくしいは内面的なものをあらわします。ここ教科書に書き込んでくださいよ後で読み返せませんよ」
(うつくしいか….)
試しにジェットストリームの赤をノートに撫でかけるも出ず、上から少し押して鉛粕の混じりながらも赤色が出た事を確認しながら教科書へと書き込んだ。
今日の学びを書けという先生を無視し使用していたクロームブックにかじりついた。他の人が全員閉じていることも知らずに…
終わりに近づいた授業に誰も耳を傾けていないことを知りながらファイルを閉じてボーっとした。
気づけば授業もすべて終わり下校した。
模試が近いので塾にでも寄っていかないかと言いINTKだけがついてきてOKBは交差点を境に別れていった。
「こんにちはー」
教室管理長の先生が椅子に腰を掛けてこちらを見て挨拶をしてきた。軽く頭を下げて挨拶をして自習室へと入った。誰もいないことを確認して2人で勉強をした。
国語の復習をするINTKを横に模試の理科の濃度の求めかたについての勉強をした。INTKがサッと顔を上げてこちらを見て言った。
「MZさん うつくしーーー 内面的に」
「なに言っとるん?」
今日の授業の国語の授業を思い出して笑った。
「INTKさんうつくしーーー」
5時45分ほどになり今日は帰った。スタスタと歩く自分たちに見えるのは6時に近いというのに雲一つない青空だった。
ふと思った。そして口に出した。
「なあ、この頃のOKBなんか変じゃないか?」
「はぁ…」
そう思った。だがINTKはそれを否定も共感もすることはなかった。
1話終わり。