粛清騎士
エグリーズの粛清騎士と、渚とラファリスは戦う。渚は開幕魔弾を撃つが、銃撃を鎧で弾かれた。
「嘘でしょ⁉︎」
粛清騎士が剣を振るって来るのを寸前で避ける。だが、銃が鎧に効かないのは意外だった。
「当たり前だ、この鎧には矢避けの加護が付いている、並の射撃はこの鎧には通用しない!」
「だったら!『ヴェノムアシッド!』」
酸性の毒を撃ち出すが、渚の攻撃はひらりと避けられ、斬撃で渚は切られる。
「くぅっ!」
翼で防ぐが、剣に対魔の力が宿されてるのか、翼が焼かれてしまう。
「お前達魔族などこの剣で十分だ、この剣は魔族を粛清するために打たれた剣、聖剣ほどの力はなくとも貴様らを殺せる」
「そう簡単に、死んでたまるもんか!」
渚は焔の魔弾、『ギガフレイム』を撃つも、それも鎧で塞がれてしまう。
「エレメント系の攻撃まで効かないなんてどんだけ硬いんだよ!」
渚は剣を回避しながらも、次に何かできることはないか探す。
一方、ラファリスは粛清騎士と対等に斬り合っていた。だが、肩口から軽く切られると、焼けるような痛みが走る。
「効くだろういつか自分が振るったとされる聖なる武器の威力は」
「ええ、私が倒してきた魔族も、きっとこうやって苦しみながら死んだのでしょうね」
だが、ラファリスも劣っておらず、剣をふるうと、粛清騎士の鎧が切り裂かれた。
「何⁉︎ 我らが鎧が容易く斬られるだと⁉︎」
「今の私は、エグリーズの持つ聖なる力と、魔族の邪悪なる力を宿してる、そんな鎧をこんな剣で切り裂くくらい、容易いものよ」
「くっ……化け物風情が!」
粛清騎士が剣を振るうが、ラファリスはさらりと避けてはカウンターで傷をつける。だがその時、ラファリスは見た。切りつけた切り口が再生していくところを。
「貴方達…神々の加護を受けて…」
「そうだ、大魔族に勝つためにはこれしかないと神に全てを捧げた。これも、エグリーズが求める魔族のいない世界を作るため」
「たかだか魔族一匹のために己が全てを捧げるなんて、無様ね」
「魔族一匹だけではない! 貴様を処理したら次は貴様が眷属に来てきたサキュバスも全て殺す! 魔族は悪だ! この世に存在してあってはならない」
「どこまでも無様ね……魔族がいるからこそ、保たれているバランスだってあるのよ」
そうラファリスが言うと、剣筋を変えて連続の斬撃を入れていく。粛清騎士は傷を受けてもすぐに再生するが、ならばとラファリスは剣に焔を纏わせた。二刀の焔剣による斬撃で、粛清騎士は火傷を負い、体が燃やされていく。
「この…化け物がぁああああ!」
焔で焼かれながらも粛清騎士はラファリスに剣を振り上げたが、振り下ろされた瞬間、ラファリスは剣を弾き返し、頭部を剣で貫いた。
「あ……」
「流石に頭部を貫かれれば死ぬようね」
ラファリスの方は粛清騎士が片付く、一方、渚の方はかなり苦戦していた。
『アイジングニードル!』
氷の棘が発射されるが、再び鎧に防がれる。先ほどから渚の攻撃は一向に効いてる気配がなかった
「くそっ! どうしたらこいつ倒せるんだよ!
渚は文句を垂れながらも狙える箇所を探す。鎧が唯一ないのは、やはり頭部、ここを狙うしかなかった。
「死ねぇっ!」
粛清騎士が剣を振るのをすり抜けて避けると、背後をとった。
「なっ⁉︎」
「獲った!」
渚は槍のように魔弾の射手を突き出し、騎士の頭部に当てるも、騎士が剣で銃を弾き返し、銃撃を逸らす。
「こんな小娘如きに、我々粛清棋士が負けるなど!」
騎士が剣を振るい、魔弾の射手のバレルを切り飛ばす。渚はすぐにバレルを外し、予備のバレルに交換しようとするが、その隙を狙って斬られた。
「つっあああああっ!」
身を焼く痛みが彼女の体に走る。思わず転んでしまい、魔弾の射手を落としてしまった。騎士が剣を逆手に持つと、渚を刺そうと剣を下ろす。
「っ!」
渚は転がってそれを回避し、落とした魔弾の射手まで手を伸ばす。そして、それを拾うと呪文を詠唱した。
「魔弾よ、かの者を撃ち貫け!」
バレルに魔法陣が何重にも展開され、渚はハンマーを引いてシリンダーを回す。
「これでトドメだ! 小娘!」
粛清騎士が剣を振り上げた瞬間。そこを狙い、渚はトリガーを引いた。
瞬間、魔弾が放たれ、粛清騎士にまっすぐ飛んでいくと、頭部を貫いた。
「……やった、勝った」
倒れた騎士を見て、渚もフゥッと倒れ伏せると、ラファリスの方を見る。少し傷を負っていたが、彼女は余裕そうな表情で立っていた。
「私も腕が落ちたものね…昔は上位騎士相手でも剣の腕は負けなかったのに」
ラファリスは渚が生きてることにほっとすると、彼女に手を差し伸べる。渚はその手を取ると、立ち上がって行った。
「さっきこいつら、ラファリスの事を離反者だって言ってたよね、それってラファリスの昔話と関係があるの?」
「そうね…とても関係があるわ。その時の昔の話は教会に帰ってからしましょう、まずは、証拠隠滅よ」
「そうだね、こいつらを処理しないと」
そうして2人は粛清騎士の死体を裏路地の死体回収業者に頼んで回収してもらい、ひとまずは安心し、教会に帰ったのだった。




