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異能特殊師団  作者: てらてら
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第3話 異能特殊師団創設式

ロイが分隊長として認められた日から数日後、異能特殊師団の創設式が行われた。


101分隊は所属の13小隊の列で整列した。


記者の人達も大勢居た。


壇上脇の司会役の女性が話し始める。


「これから、異能特殊師団創設式を始めます。まず最初に異能特殊師団師団長バルト・ケーリッヒ少将から壇上演説をして頂きます。ケーリッヒ少将お願いします。」


ケーリッヒ少将が壇上に上がる。


「この度、新設された異能特殊師団の師団長の任を任せられたバルト・ケーリッヒ少将だ、よろしく。」


ケーリッヒ少将はトラウィス撃滅作戦の時に異能が発現した異能者だ。炎の異能を持ち、別名炎神と呼ばれ異能ランキング5位の強者だ。


「この異能特殊師団は我々連邦軍所属の異能者を中心に異能者以外の優秀な兵士達によって構成されている精鋭部隊だ。中には新兵も混じっているが彼らは訓練過程で優秀な成績を収めた者、またはある一点の秀でた特技を持つ者達が選ばれているため戦力としては十分だと私は思う。だが新兵達は戦場を経験したことないため私を含めた戦場を経験した先輩達が新兵達を導いてほしい。そして連邦の希望となるためこの部隊に敗北は絶対に許されないと心に刻んで欲しい。」


「最後に、替えのきかない諸君らに命ずる!軍人としての責務を全うし最後まで戦い続けろ!どれだけ苦しくとも絶望的な状況であっても諦めずしぶとく生き残り戦い続け国を守ることが我々軍人の責務だということを忘れるな!以上だ。」


ケーリッヒ少将の力強い演説により、場の空気がガラッと変わり隊員達の顔が引き締まった。


「ケーリッヒ少将力強い演説ありがとうございました。」


「次にアミドル連邦共和国大統領エル・ウィルソン大統領の壇上演説です。ウィルソン大統領お願いします。」


このアミドル連邦共和国の大統領エル・ウィルソン大統領は連邦を大陸序列5位から2位に上げた立役者で教科書にも記載されるほど有名であり支持率が歴代で1番高い大統領だ。


「私は諸君ら異能特殊師団が連邦の希望となってくれることを切に願っている。これは私だけではなく連邦国民全員が思っていることを胸に刻んで欲しい。」


「そして、トラウィスに滅ぼされた国、奪われた領土と平和を取り戻すため異能特殊師団を中心に誇り高き総勢100万人の連邦軍人の一層奮励努力に期待しています。短いですが私からは以上です。」


ウィルソン大統領は壇上から降りる。


演説が終わったあとケーリッヒ少将とウィルソン大統領が異能特殊師団の旗と国旗を持ち記念撮影をした後記者達の質問に答え創設式は終わった。


創設式が終わった後は大隊ごとに顔合わせの為に祝賀会が開かれた。


祝賀会に参加したが案の定ほとんどの隊員達が俺を蔑みの目で見る。


「おい、あいつ異能者ランキング最下位のやつだろ?なんでここに居るんだ?」


「異能者だから呼ばれたんだろうけど、あいつの下に付くことだけは御免だな、死にたくねぇからよ。」


ヒソヒソと話しているが全て聞こえる。だがもう慣れた。


「分隊長、あいつらシメてきましょうか?」


「いつもの事だから大丈夫だ。お前達はそんな事気にせず祝賀会を楽しんでくれ。」


「あんなに強いのに…俺、悔しいですよ分隊長」


「まぁ、ある程度居たら帰るからそれまで我慢してくれ。」


「りょーかい」


スティーブ一等兵が渋々応じる。


そしてしばらく時間を潰してそろそろ帰ろうとした時、音もなくケーリッヒ少将が近づいてきて話しかけてきた。


「君がロイ軍曹かね?」


「はい、そうですけど…」


「少し2人だけで話したいんだがいいか?」


「え?は、はい、大丈夫です!」


突然の言葉に動揺しながらも了承した。


少し歩き会場の中にある小部屋に移動し、話し始めた。


「実はな、ゴルドー元帥からロイ軍曹に異能の訓練を施し、異能の力を引き出して欲しいと直々に頼まれたので個人指導をすることになったからよろしくな」


「え?何故ゴルドー元帥が…」


ゴルドー元帥は俺が生まれる前の第1次大陸戦争で活躍した生ける伝説の英雄だ。


「分からん、だがロイ軍曹の異能は雷という、トラウィスのような電子装置や精密機械を搭載した機械生命体には致命的な弱点となる異能に可能性を見出したのではないか?」


「そうなんでしょうか…?」


「まぁ、少なくとも雷の異能は最下位では無く10位以上になれるポテンシャルがあると俺は思うぞ。」


そう言われ少し嬉しい気持ちになったが。


「ただ、そのポテンシャルを引き出せず最下位のままなのはロイ軍曹自身の責任だからな。それは分かっているか?」


「はい…わかっています」


正論を言われ少し気持ちが落ち込む。


「逆に言えば使い方させ覚えられれば強くなれるということだな。まだ作戦まで半年ある、半年でどれだけ強くなるのか知りたくないか?」


「伸びしろがあるということですね」


「そうだとも」


ケーリッヒ少将から直接指導して貰い強くなることが出来れば蔑んだ目で見られることが無くなるかもしれない。


この機会を失ったら次は無いと直感的に思い、ケーリッヒ少将に個人指導をお願いした。


それから俺は1日の訓練が終わった後、居残りでケーリッヒ少将に個人指導で様々なことを教わり、異能の使い方を学んだ。






異能者人物紹介


バルト・ケーニッヒ少将

異能者ランキング5位 炎の異能者

別名炎神と呼ばれ、1人でトラウィス1個師団規模を壊滅させた戦績を持つ。

少将になってからも現地に赴き現場指揮をしつつ戦闘にも積極的に参加するため兵士達の間では評判は高いが、会見での質問やインタビューの際、まともに回答せずメディア批判を始めるため記者達の間ではとても嫌われている。



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