↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 珊瑚樹邸の秘密 :画材屋探偵開業中!  作者: sanpo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/27

 15

 広島空港では意外な人物が出迎えてくれた。弁護士の前嶋さんだ。(おっと、意外ではない来海サンの兄、行嶺氏も、勿論来ていた。)

「無事お帰りで何よりです」

 前嶋さんは笑顔を煌かせて言った。

「お疲れだと思って――車で来ています。ご姉妹を邸までお送りしますよ」

「まぁ! お気遣いありがとうございます」

「あ、それならちょうどいいわ! このまま皆で邸へ直行して今回の旅の解散式をやりましょうよ!」

「苑ちゃんったら、また急にそんな勝手なこと言って――」

「でも、そうすれば弁護士さんにゆっくりお土産を渡せるじゃない。二度手間が省けるわ。それによく言うでしょ?『帰るまでが遠足』って」

 クルリと行嶺氏に向き直る。

「来海ちゃんのお兄様も、ぜひ! 妹さんは私と姉にとって、今度の旅だけでなく、最初からいろんなことで凄く支えとなってもらいました。今ではかけがえのない大切な親友です。そのお礼も込めて、どうぞ、一緒に我が家へお越しください」

「妹の言う通りです。ほんとはもっと早いうちにきちんとご挨拶しなきゃならなかったんですけど」

 姉の陽さんが丁寧にお辞儀をする。

「はじめまして。妹さんに大変お世話になっている朝野陽と申します。こっちが妹の苑です。このたびは私たちの強引な申し出でお兄様にご心配をおかけしてしまったことお詫び申し上げます」

「やだ、大袈裟すぎるわ。それに〝支え〟だなんて。私こそ、お二人はお友達――ううん、素敵なお姉さんができたみたいで凄く嬉しいんです。私、従姉妹はいるけど、近くに住んでないから滅多に逢えないし、そばにいるのはこんなの(・・・・)だけだし」

「なんてこと言うのよ、来海ちゃんったら! とっても素敵なお兄様じゃない!」

「ほんと、お優し気で理知的で。私もこんなお兄さんが欲しいな!」

「いやぁ、そんな――アハハハハ」

 すっかり上機嫌の行嶺氏、胸を張り、キリリと眉を上げて言い切った。

「僕は帰ります。僕の方こそ、妹があなた方のような素晴らしいご姉妹とすごせたと知って、心から安堵しました。そして、改めて感謝しています。ホントに、来海がお世話になりました。跳ねっ返りの妹ですが、どうかこれからもよろしくお願いします。では、僕はこれで」

「え? お兄様はいっしょにいらっしゃいませんの?」

「残念だわ」

「ハハハ、いやぁ、こう見えて僕は中々忙しい身なんですよ。店も僕がいなくては廻って行かないので」

 来海さん小声で、

「まぁた、見え張っちゃって。イイかっこしすぎよ」

 すかさず前嶋弁護士が一歩前へ出る。

「それなら、責任もって来海さんと桑木さんは僕の車でご自宅までお送りしますので、ご安心ください」

 かくして、僕たちは前嶋さんの車――ほんと、これなら安心だ、例の鰐狩り対応車(?)デリカD5URBAN・GEARで珊瑚樹邸へ向かった。


 実際には三泊五日の欧州弾丸旅だったが。珊瑚樹邸の門の前に立つと、ひどく長い旅から帰還したような気がして感慨深かった。

 あの居心地のいい居間兼台所で美味しいお茶を味わいながら盛大なお土産交換会となる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。