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秘められたシェルマの才能

 ノノはシェルマの胸に手を当てた。何かを確認しているようだ。

「この娘は聖の力を持っていて、自身に埋め込まれた魔物を浄化しているんだと思う。つまり、この娘も君たちで言うところの聖女のお仲間だ。この見立てが正しかったら、彼女自身の癒しの力で失われたとされる理性や知性も修復されているのではないだろうか」

 一同は驚いた。


 レオンが、

「じゃぁ、なんで山の中にいたんだよ」

 シェルマは山の中でスライム化し、山の水分を吸って膨張していた。

 シエルが、

「理性や感情が戻ったことで逃げ出したとか」


 エマが喜びの表情で、

「それなら、シェルマ王女はもう人間よね?」

「いえ。違うでしょう。俺が攻撃したら、攻撃が当たりました」

「聖の力を持ってしても人間には戻れないのかしら?」


 人間と魔物の融合に関する術は危険で邪悪な禁忌の秘法ゆえ、詳細が全くわからない。危険で邪悪な魔法を取り扱う危険人物は国の僻地にも中枢にもいないのだ。


 シェルマがこのまま人間に戻れるならいいのだが、戻ったら戻ったで国としてはどうすべきか考える必要が出てくるだろうから面倒そうだ。

 もっとも、そこはレオンやエマにとってはどうでもいい問題だ。


 シェルマは自身の力で、融合された魔物を浄化しているとして、魔物を浄化したあとに残った彼女は果たして人間なのか?などの面倒くさい疑問も出てくる。


 ノノは、

「君たちからしてみたら、色々な問題があるんだろうが、彼女は聖女と呼べるほどの強い聖の力を持っていないのではないだろうか?だから、自身の中の魔物を浄化しきれないのかもしれない。人間に戻ろうにも聖の力が不足していて癒やしきれないから戻れないのではないだろうか?」

 つまりシェルマはジェネリック聖女、劣化版聖女。いや、聖女に近い一般人(元王女)である。ややこしいな。


 シエルが、「……聖女の素質がある少女を聖女に覚醒させる神殿があるそうです」

「本当に!?」

「ユリウス帝国の中にあり、現在、神殿は閉鎖されているとのことです。つまり望みはないんです。もう諦めてください」


 エマは少し押し黙ってから、

「レオン、ノノさん。一緒にお手洗いに行きましょう!」

「良いっすよ。俺も女子トイレに行きたかったところなんで」


 エマの考えは全員がわかった。

 女子トイレの窓からユリウス帝国を目指そうと。

 レオンはそれに適当に乗ってあげたのだ。優しさである。


 シエルが、

「待ってください」

 じゃぁ、なんで神殿の話言ったんだよ。エマが諦めるわけねーだろ。


 レオンがシエルに、

「奥方はそんなんで止まるやつじゃねーんだよ。こっからは俺たちが勝手にやるからそっちはもう帰ってくんねーか?」

「な、何を?」

 いざとなったら、ノノもいる。

 レオンは対人戦には難点があるが、いざとなったら隠し持ってる天使の力でも開放して、そんな枷は外せばいい。

「奥方を死なせはしないって王に伝えてくれよ」

 レオンはシエルを抱きしめるエマを無理やり抱きかかえ、窓から飛び出した。ノノもそれに続いた。

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