日曜日
日曜日の朝、ピピピッとなっている目覚ましの音で俺は目を覚ました。カーテンからは日光が入ってきている。
もう朝になったのか。昨日はファミレスから帰った後すぐに寝た。日曜日に神威さんにお金を返してもらう約束があるからだ。
学校の日は夜更かしをしていて朝起きるとしんどいのだが早寝をして起きる朝は何だが心地のいい。
朝ご飯を食べ、適当な服に着替えた俺は、待ち合わせの時間を確認するためにLIMEを開く。
えーと、待ち合わせの時間は……
『待ち合わせ場所は駅下のファミレスでお願いします。時間はお昼の一二時でお願いします。』
ファミレスか……昨日行ったな。しっかりとLIME見ておけばよかった。別に後悔したところで場所は変わらないので待ち合わせの時間まで待つことにした。
待ち合わせの時間の少し前になったので昨日行ったファミレスに行く。店内に入り、神威さん探す。
あ、いた。彼女はただ一点を眺めているだげだ。だがなかなかに美人なのが様になっていた。
「こんにちは。神威さん」
「どうもこんにちは。お金、お返しします」
神威さんはそういい俺に封筒を渡してくる。俺はそれを受け取り中身を確認する。神威さんが返すお金は2200円のはずだが少し多めに入っている。
「神威さん、返す金額間違えてる。2200円だけど、でもこの封筒には、4220円入ってるぞ」
「あ、これは助けてくれたお礼です。受け取ってください」
「そうか、神威さんがそういうなら受け取っておく」
受け取ってもらえたのが嬉しいのか雰囲気が柔らかくなった気がする。
「突然だけど、何でここを選んだんだ? お金返すだけなら他の場所でもいいだろ」
「思いついた場所がここだけなのでここにしました」
俺は喉が渇いたのでジンジャエールを注文する。何となく炭酸が飲みたい気分だった。
しばらく待っているとジンジャエールが来た。
「じゃあ、俺はこれ飲んだら帰るな」
「もう帰るんですか?」
「え? ダメなの?」
「ダメというか久しぶりなんで話とかしましょうよ」
「久しぶり? まだ、金曜日から二日しか経っていないが。そもそもお話ってなにを?」
「そういうことじゃないです。小学生の時一緒だったじゃないですか。まさか忘れたんですか」
そういった神威さんは、悲しそうな表情を浮かべている。
「……ちょっとだけ覚えている」
「ちょっとだけですか……忘れられていないだけよかったです」
「なんか、すまんな。あまり覚えていなくて」
申し訳ない感情が湧き上がってきた。やはり同一人物だったか。よく見てみると、髪がロングなだけで夢の麗奈とほぼ変わらない。
「いえ、構いません」
☆☆☆☆☆☆
日曜日の朝、私いつもより早めに目を覚ましました。朝ご飯を食べそして身だしなみを整えます。今日は、優くんと会える日。あの時は突然でびっくりしたけどまた優くんと会えた。優くんは私のことを気づいているのかな。
私はウキウキとした気分が背中を押し、少し早めに家を出ました。到着したがまだ十一時半まだ三〇分も待たなければいけません。三〇分ぼーっと待っていると、見覚えのある姿が見えました。ちょっと髪を切って、カッコ良くなっています。私の知っている昔の優くんとは結構違うけど何も変わっていないですね。
「こんにちは、神威さん」
そういって優くんは、私の前の席に座ってきた。
「どうもこんにちは。お金、お返します」
私はそう言って、優くんに封筒を差し出します。
優くんは受け取ると少し不思議そうな表情を浮かべました。
「神威さん、返す金額間違えてる。2200円だけど、でもこの封筒には、4220円入ってるぞ」
「あ、これは助けてくれたお礼です。受け取ってください」
「そうか、神威さんがそういうなら受け取っておく」
優くんはそういって封筒をカバンの中にしまった。
「突然だけど、何でここを選んだ? お金返すなら他の場所でもいいだろ」
「思いついた場所がここだけなのでここにしました」
優くんは何かを注文しているようです。数分経つとジンジャエールが来ました。
「じゃあ、俺はこれ飲んだら帰るな」
優くんはそう言って、ジンジャエールを飲み始めた。
「もう帰るんですか?」
もう帰ろうとしている。ですがここで帰らせるわけにはいけません。
「え? ダメなの?」
「ダメというか久しぶりなんでお話しませんか?」
「久しぶり? まだ、金曜日から二日しか経っていないが」
おそらくですが、優くんは私のことを忘れているのでしょう。しかしその可能性あることも頭に入れていたのですが悲しいです。
「そういうことじゃないです。小学生の時一緒だったじゃないですか。まさか忘れたんですか」
「ちょっとだけ覚えている」
優くんはちょっとだけですが私のことを覚えているそうです。
「ちょっとだけですか……忘れられていないだけよかったです」
ほんのすこし悲しみが薄れた気がします。
「なんか。すまんな。あまり覚えていなくて」
「いえ、構いません」
☆☆☆☆☆☆
本当はもう少し早めに帰れる予定だったのだが、神威さんが話をしようと言っていたので昼ごはんをここで食べることにした。
「何かおすすめの食べ物ありますか?」
神威さんはそういってメニューを俺に見してくる。
「あ、ああ。オススメは……俺じゃなくて店員に聞いてくれ」
オススメはあるのだがこのメニューを一緒に見ているこの体勢はお互いの顔がとても接近する。しかもいい香りが髪から漂ってきた。
居た堪れない気持ちになったのでメニューを見るのをやめた。
「それもそうですね」
神威さんはそう言ってメニューを見ている。
「では、私はこのオムライスにします」
神威さんはメニューにオススメと表記されてるオムライスを頼んだ。俺は昨日と同じでチーズの入ったハンバーグを注文する。
しばらく待っているとオムライスとハンバーグが届く。
「では早速、いただきます」
神威さんはそういってオムライスを食べ始めた。
「いただきます」
俺も食べ始めた。昨日食べたので正直言って飽きるかなと思ったが二日同じご飯を食べたところで飽きはしないし、毎日コンビニ弁当の時期よりははるかによかった。
「おいしい。家で作るのとはまた違った味わいですね」
「そりゃそうだろ」
この店がどのように作っているのか興味はないが、この店にはこの店の味付けがあるのだろう。それを自分の作ったオムライスやらと比べたところでだ。
「お待たせしました。こちらスマイルでございます」
「は?」
意味がわからない言葉が聞こえてきたのでそちらを向くと、クソほど笑顔の男が立っていた。
「いやいや。まさかイメチェンした翌日に彼女を連れくるなんて」
「彼女じゃねぇよ。昔の友達だ」
「本当に? ねぇねぇ君は優の彼女じゃないの?」
「あの何ですか? 鬱陶しいですよ。しかもあなたバイトの途中ですよね」
冷えた声で神威さんは言った。
「怖っ! 怖いよこの人」
「自業自得だろうが。それよりも今日もバイトじゃないのか?」
「大丈夫。人少ないからここの店」
確かに休日、昼さらに駅下なのに人が全然いない。潰れるんじゃないのかこの店。
「誰ですか? この人」
「こいつは裕人。友達だ」
「優くんに友達いたんですね」
「君、落ち着いた声で酷いこと言うね。てか優くんって呼んでる本当に付き合っていないの?」
優くん……昔もそう呼ばれてた気がする。夢ではそうだったがな。
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