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第四話 パーティーの後に

今日もよろしくおねがいします。


「カリンさま、あの、本当に大丈夫ですか?」


 目を開けるとユリアの顔。心配そうに顔を覗き込んでいるらしい。あと、義母様(おかあさま)と、以下兄弟。そしてお医者様と侍女の人たち。エミリーと、アマヤ?そして、ハウスキーパーのクラナッハさんと、執事のブラントさん。すごいおおごとになっているような気がして……。どうしよう~。ああ、頭はくらくらするし……。


「ユリア?」


 そう呼ぶと泣きそうな顔になって話してくれた。


「あの後大変だったんです。途中でカリンさまが体調が優れないからパーティーを抜けたいと仰って…。でも今日の主役ともよべるカリンさまがパーティーを抜けるとなると、他の貴族たちが黙ってませんからね。なんとか奥様と旦那様がなだめて密かに抜けたものの、部屋につくなり倒れられてしまって。心配だったんですから!!丸一日熱で起きなかったから、皆様しんぱいしていたのですよ!!!」


 そう、涙をポロポロこぼしなが語ってくれた。けど、、


「丸一日?」


 叫ぼうとしたのだけれど、喉が痛くてかすれた声しか出なかった。


「ええ。高熱と、何かにうなされているようでしたわ。体調が悪いなら途中で言ってくださればよかったのに!!どうしたのですか?」


 流石にユリアはエミリーになだめられた。けれど、義母様(おかあさま)が、


「ユリアちゃん。ありがとうね。色々気遣ってくださって。さあ、疲れが出ないようにゆっくり休みなさいませ」


って言ったのよね。


「どうもお気遣いありがとうございます。私のことは気にしないでくださいませ」

 

 だが、ユリアには逆効果だったみたい。そういう性格なのよね。私は仕事が一番ですから。って言っているのよ、いつも。


「あら、本当にいつもありがとうございますね。。ところでカリンさん大丈夫ですの?」


 大丈夫ではないから、ブンブン首を横に振ったら余計に熱が上がった気がした。


 それに気づいたお父様が、


「こっちのことは大丈夫だから、しばらく安静にしてなさい。さあ、私達は静養のじゃまになるから出るぞ」


って言ってくれて、以下面々を引き上げてくれた。はぁ、義母様も性格は良いけれど、少しうるさいかも。(分かりきっていて、目をそらしていたかった事かも)



 残ったのはお医者様とユリアとエミリー。



「薬はここに置いておきますから、くれぐれも安静にしていらしたほうがよろしいかと。では」

って言ってお医者様も行ってしましました。

 薬はいつももらっているのだけれどねぇ。




「はい、カリン様、薬湯でございます。本当に安静になさっててくださいませ。ちゃんと飲んでくださいよ。」


 そうエミリーが有無を言わさぬ微笑みから、少し不安そうな微笑みを見せた。ちなみに私はこの微笑みに弱のよね。お母さまを思い出すから…。仕方ないから薬湯は飲みましたわ。って言っても、もう何回も飲んでいるから慣れちゃったのよね…。苦いけれど。てへ☆


 いやぁ、やっぱり飲みたくないものは飲みたくないです。大体、熱なのに自分で飲めってほうがひどいのよぉ。飲まない私がひどいのではなくてね。

 ああでも、やっぱり、ユリアやエミリーが入れたのは私が飲みやすいようにお茶として入れてあるから…。はい、もう言い訳はやめます。今度から一発で飲むようにするから許してください。ごめんなさい。

 なんでかって?すごいユリアとエイミーにジーと見られているから。

 わかったから、そっとしてほしい。見られると恥ずかしいのですもの。


 一気に薬湯を飲むと、明かりがランプな事に気づいたのよね。あのパーティーの日の夜かしら?それとも…。そうしたら申し訳ないから…。


「ねえ、ユリア、今何時?」


 ちょっといえ、だいぶ気になるのよね。


「えっと、夜の8時ですわ。どうかしまして?」


 その疲れた表情を見て私は確信しましたわ。絶対に翌日であることを。


「まって、私、一日寝ていたの?」


 そう、パーティーがあったのは昨日だろうから。一日寝ていたなんて自分でもびっくりするけれど……。


「はい。だから心配していたのですよ!皆様、そして私達もろくに食事を摂る気にになれなくて……。セロシア様なんて、いつもより二時間も早く帰ってきたんですよ」


「そう……」


 なんだか私が寝ている間に凄い事になっていたらしいわね……。はぁ〜。一応心配させてごめんなさい。


「ねえ、あの後起きたことを説明して」


 そう言うと困った顔をされましたが説明してくれました。


「えっと、ご令嬢様方はとても心配そうにされていましたよ。反省していたみたいです。セレーナ様がひどく心配されて、手紙を預かって参りましたわ。心配は要りませんわ。パーティーは何事もなく進んで、シェリーさんたちが色々と気を使って噂する貴族の相手をしてくれましたから。なので今日は、変な噂は流れずに済みましたわ。ああ、お礼はよーく旦那様が言ってくださったので心配することはないです」


 それでみんなつらそうな顔はしていなかったのね。そう言うとユリアは苦笑いと言うか、意味ありげに笑いました。


「大体、貴族なんてものは、お酒を飲みに来るか、相手を探しに来るか、噂を撒きに来るかそんなもんですわ。全く。何しているのだか。だから頭の軽い貴族たちは。だからああいうはしたない令嬢が生まれるのですわ。」


 ッキと空中を睨んで力説してくれました。私も頭の軽い貴族たちには懲り懲りなので同意見ですわ。(何度目かのため息)


「まあまあユリア。でも、はしたない令嬢……?」


 ユリアがなにか言うとなるとやっぱり問題が起きたとしか考えられないのだが……。

 そう言うと慌てた様子で、


「いえ、なんでもないのですわ。カリン様が心配されるようなことではありませんですわ」

と言って不満そうにしていました。


 でも明るい笑みを浮かべて、


「あっ、けれど、旦那様が、婚約の話は急だから、パーティーはするとしても、結婚式――じゃなくて、婚姻届?はお前がちゃんと卒業してからでいいぞって言ったましたわ。良かったですわね」


 思わぬ吉報。お父様が折れるとは思いも知らなかったね。


「ホント?じゃあ、お姉さまが婚約者になるように作を練ろうかしら。あと、ヴォルター君を探さないと。それに、アカデミーに入らなくちゃ行けないのに、何処に結婚している人がいるのかしら。お父様ったら、もう」


 いい案を思いついた!というように手をポンッてしたらユリアに呆れ顔で溜息をつかれた。


「ええ、わかりました。そうですよねぇ。けれど、どちらにせよ完全に治ってからですわよ。カリン様、わかっていらっしゃるでしょうけれど。旦那様も心配されていますから」


「は~い」


「それにクレア様やルーナ様、クロード様にスカーレット様は事情がわからないだけにもおすごおく心配されていたんですから。事情を話さないのはわかりますけれど――。母上のことがありますからね」


 反論できません。そのとおりです。


「わかりましたわ。眠いし、疲れたから一回寝るわね」


「ええ、おやすみなさいませ!」


 なんですか、その笑みは。






 ふぁ。目を開けると朝の眩しい光。と、エイミー。


「おおきになられましたか。体調はどうですか?」


「ええ、いいみたい。過労だったのかもね」


 そう、今日はとても気分がいいの!昨日の熱が嘘みたいにね。


「カリン様!!はい、お食事です」


 そう言ってベットまで食事を運んできてくれました。過保護なんだから。て思ったのだけれど、お腹がキュルル〜ってへんなおとを立てちゃったから。恥ずかしい。あぁ〜。

 かなり珍しいことなのでユリアとエミリーも目を丸くしている。


 多分、お嬢様が変なのは、病み上がりだからなのだわ。とか、今日は何をやらかすかわからないから見張っておいたほうがいいですわね。なんて目で語られているのだと思う。恥ずかしい。


「ほっ、ほら食べてくださいませ」


 かなり動揺しているみたい。


 久しぶりに食べた食事はとても美味しかった。お粥とスープに薬湯だったけれど。


 着替えをしてから学校に行く準備をしようとしたらまたびっくりされてしまった。病み上がりだから当たり前か。


 学校はユリアと妹弟たちと通っているのだけれど、今日は流石に私の噂が多く流れていて入りづらかった。

 あっ、私は成績は良いからクラスは上。ちなみにローゼンハイン家は代々学年主席で卒業しているらしい。代々宰相の家庭だからね。逆に学年主席じゃないと受け入れてもらえないところがあるのよね。

 私の学校はいわゆる上流階級の学校。学費は高いけれど、レベルも高いの。逆に頭の軽い貴族は、家柄や財産で無理やり入らせるところもあるけれど。うまくいきませんわ。

 あと、平民だけれどある制度で入れることもあるのよね。学校の中で身分差別はなし。どちらかと言うと校則で禁止されていた気がしましたわ。アカデミーではないですしね。




 学校が終わって、家に帰って。




 タン、タン、タン。(手拍子)メロディー♫♪〜〜〜(ピアノ)

 

「あら、お嬢様。素晴らしいダンスでございますね。流石お嬢様でございます。非の打ち所がないと言うか」


「ええ、カリンさん私も、もう教えることがありませんわ」

 

 義母様(おかあさま)はご両親をなくした元子爵家令嬢で、元踊り子(バレエ?)だからいつもダンスを教えてくれる。お陰様で私の家の人はみんなダンスが上手いのよね。


「ありがとうございます。義母様が教えてくださったので、義母様と先生の教え方がうまいのですわ」


というと、


「まぁ!ありがとうございます。でもね、カリンさん、謙遜しなくてもよろしいのよ」


 って言われました。けれども、


(いいえ。本当に義母様はダンスと所作だけは一流で、世界で一番教えるのがうまいと思いますわ。)


ていってあげたいですわ。そうしたら先生が悲しむからやめときますけれど。いや、悲しまれるからというか、可哀想だから…?あっ。失言です。


「ユリアちゃんも完璧ですわね。流石でございますわね!」


「ええ、ありがとうございます。お褒めいただき光栄ですわ」


 ユリアは褒められるとすぐにパーっと顔を緩めるのでそこがかわゆいのよね。(ユリアのほうが年上です。ごめんなさい。)


 でも本当に、こう、踊るごとにサラ〜っとなびく髪とか、ドレスの先まで意識された踊り方とか、ユリアのほうが三ヶ月先に生まれただけなのに私よりも三年ぐらい先を言っている気がして。

(自分で言っていてへこみますわ。)

 ダンスは家の恥にならない程度には覚えてますよ。ちゃんと。でも優雅なのはユリアだと思います。


「今度は王宮の夜会ですか?それとも婚約パーティーですの?どちらにせよ、立派に公爵令嬢としてやりこなせますわね!」


 どうしてこうなっちゃうのかなぁ〜。


 私は本日九度目のため息をはつきました。


 





ありがとうございました^^



大変厚かましいお願いではありますが、もしよろしければ「続きが気になった」とか、「早く読みたい」と、思ってくださった方がいらっしゃたら下のポイントを入れてくださると励みになり嬉しいです。

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