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女嫌い王太子は恋をする。※ただし、そのお相手は乙女ゲームのヒロインではないようです  作者: ごろごろみかん。
二章:恋の自覚

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69/80

打ち合わせ

誤字報告大変助かってます、ありがとうございます!

全体的にちまちまとかなり修正加えていますので、良かったら最初から読み直していただけると嬉しいです☆三

またちょっと前から毎日更新に切りかえてます。

完結まで毎日更新しますのでよろしくお願いしますy_y

それはずいぶん、小声になってしまったけど。

フェシーにはしっかり届いたようだ。


「………ぇ」


「…………」


なーんてね!冗談よ!

さ、話を戻しましょ!


……そう言えば、きっとフェシーは上手く誤魔化されてくれる。

私の本心を無理に暴こうとはしないだろう。だけど、でも。

それは言いたくなかった。

私の気持ちを知って欲しいと思ったのだろうか。それとも、彼も同じ気持ちであることを期待したのだろうか?


分からない。

だけど、でも。


ああ、乙女心とはかくも言い訳めいた免罪符と言語化が難しい混乱と困惑に満ちたものなのだろうか?

先程から私の頭は意味も、脈絡も、必要も無い単語ばかりが駆け巡る。

沈黙を選んだ私に、しばらく言葉を忘れたように押し黙っていたフェシー。

息が詰まるような空気感。


ややあって、遅れて正気を取り戻す。


(いや……いやいや、私何をしているの?こんな時に色恋沙汰とかやってる場合じゃないでしょ?そう、状況よ。状況、聞かなきゃ──)


掴んだばかりの恋に溺れて、酔っていた。

恋ってやっぱり怖い。突然吸い込んだ麻薬要素の扱い方に不慣れな私は安易に酔ってしまっていた。

慌てて顔を上げてごまかしの言葉をはこうとした時。

顎にそっとひんやりとした指先が触れた。


「え?あ──」


触れるだけの口付けだった。

驚きすぎて目を見開く。

相手は、まあ、当然ながらフェシーなのだけど。彼は長い白金のまつ毛を伏せてくちびるを重ねていた。


(えっ……!?え?!あ………えっ!?)


その後、ゆっくりとくちびるが離れる。

彼がまつ毛を持ち上げて視線を逸らしながら言った。


「……目は閉じてくれないかな」


「ご、ごめんなさい……」


お互いに羞恥心を隠せなくて、妙にギクシャクしてしまう。


「どう?少しは体楽になった?」


「えっ!?あ、ああ、そうね?すごい楽になっ──あら?」


照れを未だに隠せないフェシーに尋ねられて、私は自分の体調の変化に驚いた。


「すごい……楽になってる。魔力譲渡ってそんなに効くものなの?」


「どうだろう。他人にやったことはないから分からないけど──きみに魔力をうつ、すとき……魔力回路を意識はしたかな」


目元にほんのり朱を浮かべながら言う彼に私まで恥ずかしさが伝染する。私は頬に手を置いて熱を逃がす素振りをしながら、小さくお礼を言った。


「あの……ありがとう。それで、もう魔力不足は大丈夫よ。気にしないで。改めて状況を教えて欲しいのだけど」


「ああ、うん。──えぇと、何から説明しようか。まず、僕はユティが安全だ、ということを前提に動いてる、っていう話はしたよね?その後」


フェシーは忙しなく視線をさまよわせていたが、やがてしっかり私を見て、落ち着いた声で続けた。


「ユティは知らなかったかもしれないけど、あの指輪はすごく希少なものでね。そんなものが市場に流通すればすぐに報告に上がる。それを聞いた僕は、流通元を調べて、そこにユティがいると踏んだ。僕が向かった時にはもうきみはその場にはいなかったけど、きみの足取りを追って、結果アヤナ・ビヴォアールの生家にたどり着いたんだ」


「そうだったのね」


「ギリギリのところだったけど、間に合ってよかった」


フェシーが不意に、優しい視線をこちらに向けるものだから胸がどぎまぎする。

視線が優しすぎると感じるのは、気のせい?自惚れかしら……?


「僕はユティに、あとは仕上げだ……って言ったけど、ちょうどいいかな。ユティにも見てもらおう」


「え?」


見る?……何を?

混乱していると、フェシーが少しいたずらっぽく笑った。


「ここまで巻き込まれたんだ。せっかくなら、特等席で彼らが演じる喜劇──終わりの物語を観覧したくない?」


「え?……え?」


「少し待ってて。まずは、ユティには先にネタばらしをしておかないとね」


目を白黒させているうちに、フェシーは席をたち、扉まで歩いていった。そして、扉を内側から数回、ノックをする。リズミカルな音を立ててノックがされる。なにかの暗号?でも、どうして今?外に誰かいるの?そんなことを考えていると、応えがあった。


フェシーがまた、口角を上げる。

おもむろに彼は扉を開けた。

そこにいた人物に、私は思わず腰を上げた。


「──え?あなた、」


意外すぎるひとが、そこにいたのだ。


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