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音の子  作者: 花言葉
王子暗殺は誰のための物?
19/24

3

 会議の前、ロビーでは、みんな、きらびやかな服を着て、語り合っている。

「まあ、ケルペット夫人、そのアクセサリー美しいですわね」

「ええ、高かったのよ」

「その割に小粒ね」

「大きさじゃないわ」

 こんな感じで、ひねくれた話し合いをしているのだ。

「皆さん、久しぶりですね、アイシャ・カーネストです」

「あら、ドレスの色がステキね」

「そうですか?」

「地味でいいわ」

「あら、おとなしいと言ったら」

(女って面倒くさい)

 マティスも隣でそう思っているようだった。二人で顔を合わせて笑ってしまったのだった。


 ☆ ♪ ☆ 


 そして、会議室へ通される。

(アイシャは、体調が大丈夫か心配だな)

 ベルツは、気が気じゃなかった。しかし、アイシャは顔色を変えず。女達と会話している。

(無理しているはずなのに……)

 アイシャがかわいそうだった。

(好きな子が苦しんでいて、何もできないなんて)

 もどかしくて手を強く握った。

「ベルツ、落ち着いて」

 マティスに言われて、強く握りしめていた手をほどいた。

「お前にできることをしてやれ」

 そう言われて、アイシャの近くに行く。

『皆さん、立って話すのは難ですから、座って話しましょう』

「そうね」

「そうですね」

 みんなが席に着く、アイシャも違和感なく席に着いた。

「では、会議と行きましょうか」

 一人の男がそう言った。

「それでは、まず、パーム橋について、話し合いましょう」

「そうだね、私の国としては、大きな問題なのでね」

 ゲンドルの王子がそう言う。

「シンボルのある国は大変ね」

 ケルペット夫人がそう言って笑う。

「シンボルの無い領土よりましです」

 ゲンドルの王子が、やり返した。

「そうね、でも、大きければいいと言う物じゃないわ」

 ケルペット夫人は食い下がらない。

「小さい領土も確かに素晴らしいですね」

 ゲンドルの王子は、そう言ってケルペット夫人を笑った。案の定ケルペット夫人は、反撃できず、悔しそうにしている。

「フラル、あまり余計なことは言うな」

 ケルペットさんが、夫人を叱った。

「ところで、パーム橋の寄付金は、どうなったのですか?」

「私の所は出しますよ」

「我らの所も」

 ゲンドルの王子は、ケルペット夫人をちらっと見て、嫌味な顔をしてから。

「皆さん、寄付してくださり、助かりました」

 大袈裟にそう言った。

「私も、寄付しないとは、言っていないわ」

 ケルペット夫人も怒ってそう言う。

「それは、ありがたい」

 ゲンドルの王子は大袈裟に恭しく頭を下げる。

『アイシャ、私の国も寄付することを伝えてくれ』

「あの、アギスト王国も寄付してもいいですか?」

「もちろんだ」

 わ~と辺りが一度盛り上がる。

「パーム橋のデザイナーにグレースを使うのはどうだい」

「ドリーと言う女性もなかなか良い、他にもいいデザイナーがいるのだから、もう少し考えた方がいいぞ」

 王と王女と貴族が話し合っている。

(今度は、デザイナーでもめるか)

 パーム橋が改装されるのには、時間がかかりそうだ。

「ところで、ケシャルのフリージア姫は、どうなさいましたの?」

 ケルペット夫人が意地悪く聞いた。

「ああ、元気にしているよ」

「男を追いかけて出て行ったと聞きましたけど?」

「そんなわけがないだろ」

 ケシャルの王は、汗を拭きながらそう言う。

(フリージア姫はそんなことになっていたのか……)

 少し驚いていると。

「ベルツ王子は、そこの賢者さんにメロメロなんですってね」

 ケルペット夫人は恐れを知らないで聞いてきた。

「あの、そういう話は……」

 アイシャが、一生懸命隠そうとしている。

「でも、姫になるのでしょう」

「私は、通訳として、そばにいて欲しいと言われただけです。姫になるつもりはございません」

「まあ、そう」

 ケルペット夫人は、深く追求してこなかった。

「ケルペット夫人って何でこう言う会議に出られるのかしら」

「金だよ、金、金を払っているからさ」

 そう話している、男女がいた。

「何か、聞こえましたが?」

「ケルペット夫人が美しいなと」

「あらそう」

 ケルペット夫人は不機嫌そうだった。

(いつもこうなる)

 ベルツは、ケルペット夫人には、すっかり呆れてしまっている。

「さて、次の話に行こうか」

 みんなが、紅茶を一口飲もうとしていた。

(俺も飲むか)

 紅茶に、一口だけ口をつけると、体中に強い痺れが走るのを感じた。

(なんだこれは……)

 初めは、何が起こってか全く分からなかったが、だんだん意識が遠くなっていくのだけは、分かった。

「王子!」

 ガシャンと音を立てて、ベルツは倒れた。


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