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助手席  作者: 狸
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肉じゃが

テレビをつけると笑い声が聞こえる。

ただ画面をぼーっと見ているといい匂いがしてきた。


「何作ってるの?」


「肉じゃが。」


「彼氏に振る舞う前の実験台?」


「いいじゃんまずくはないと思うし。」


「ベタなとこいったね。」


「ベタぐらいがいいでしょ。下手に手が込んでる料理よりは。」


「そんなものなのかね。」


「そんなものですよ。分からないけど。」


顔を見合わせヘラヘラ笑う。


「そういえば彼氏見たことない。」


「見せたことないもん。」


「見たい。」


「今度家に来るけど知らなかったふりして駆け込めば会えるんじゃん?」


「あ。会う分にはいいのね。」


「だって出し惜しみするようなものでもないでしょ?」


「でも突入したらやばいことになってるとかなしね。」


「その時は察して。多分メッセージ返せないと思うから。」


「了解。」


そんなやりとりをしていると彼女は湯気の立っているお皿を私の目の前に置いた。


「はい。」


そう言い彼女が手渡したのは木に青リンゴのイラストが描かれているお箸だった。


「ありがと」


ふと彼女の手元を見てみると彼女は私と色違いのお箸を持っていた。


「まさかと思うけどこの箸彼氏用じゃないよね。」


「違うよw確かに色違いだけどそれはみり用の。」


「わ〜。嬉しいw新婚夫婦みたい彼氏いるけどw」


「こんな夫婦だと長く寄り添えるかもね。」


「何?プロポーズ?」


「みりうるさいw手伝わないよ?」


「は〜い。」



私たちはいつものように馬鹿話をしながらのんびりと夕飯を食べていた。

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