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助手席  作者: 狸
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日差しが暖かく春ももうすぐなのかと感じられるようなこの日

私は朝早くに教習所に来ていた。

卒検かぁ。やっぱり緊張するな。ましてや外だし。


「検定を受ける人はAM9:00までに教室2にいてください。」


そう言われ重い足取りのまま教室2へ移動する。

やっぱり杉本さんには会えないか...。今日いるかも分からないしね。


まぁ、前回同様落ちてもまた受ければいいかと無理やり心を軽くする。

あれから谷とは連絡を取るものの日程が合わず卒検の日を被らせることはできなかった。


「がんば!!」


と短く今日の朝に入っていたメッセージを見直す。


「私が落ちたら今度はかぶるかなw」


と返すとチャイムが鳴った。

説明を受け下にコースが発表されているので確認し、指定された車の前で待つように。

と言われ階段を降りる。


コースは教習所外のコルクボードに張り出されていて、みんなの後をついていくように歩く。


ふと前に目をやると外の柱にもたれかかっている杉本さんがいた。


え。なんでいるの??1段階の時の検定は会ったりしなかったのに?ん?いや、まだ私のためにそこにいるかも定かではない。


一瞬で心臓が跳ね上がったのがわかったと同時に混乱した。

誰かを待っているように見えたが、それが私かもわからない。

でもそれがもし私ならと考えるとなぜか涙が出そうなほど嬉しかった。


なに食わぬ様子で横を通り過ぎようとした時


「橋元さん。」


と呼び止められた。


「なにしてるんですかこんなとこでw」


「卒検でしょ?応援しに来たの。」


そうニコッと笑う杉本さん


「コース決まった?」


「今見に行くとこですよ。」


「ん。じゃあわかったら戻っておいで。」


そう言われコースを確認しまた杉本さんのところへ戻る。


「3でしたよ〜。」


そう言う私にクスッと笑い


「難しいところに当たっちゃったね。でもゆっくりね。落ち着いてやれば絶対通るから。」


「もどってきたら?」


「おかえりって言ってあげるからw」


もし落ちてももう二度と会わないと決め、聞いたその言葉は

悲しみを帯びていた反面どこか私を落ち着つかせた。


「じゃあ、行ってきます。」


と言って見上げた杉本さんの顔は

どこか悲しそうに見えた。


杉本さんは他の人と話すこともなく、私が見えなくなるまで立ったままだった。


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