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助手席  作者: 狸
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モニター

「橋元さん」


そう呼ばれ急ぎ足で教官の元へ向かうと


「よかったですね。合格です。」


その一言を聞いた時自然と頬が緩んだ。

よかった。本当によかった。


「でね、さっき谷さんにも言ったんだけど2人ともS字カーブのところ後輪浮いててね。でも脱輪せずに済んだって感じだったから気を抜かないようにね。」


「はい。」


「じゃあ学科試験頑張ってね。」


そう言われ谷さんの方へ向かう。


「合格??」


「うん」


「やった!!2人とも受かってよかったぁ〜!!」


心から嬉しそうにそういう彼女を横目で見ながら

どこか羨ましく思っていた。感情を素直に表に出せる彼女がとても魅力的にうつっていたからだった。


「次学科だね!勉強しないと!!」


そう言い彼女は慌てた様子で教科書を開く。

睨みつけるような視線で教科書とにらめっこする彼女。



「そうだ!名前は??」


「みり。谷さんは?」


「私ゆか!それにさん付けはやめてよなんかくすぐったい感じ。」


そう照れ臭そうにいう彼女


「そうだね。」


「うん!じゃあ学科試験の会場にいこ!!」


そう言われ彼女の後をついて行く。


教室に入ると生徒それぞれが皆教科書をはじからはじへと舐めるように見ている。

机に書かれた番号と名前を確認してゆかの後ろの席に着く。


数分して入ってきた教官は女性だった。


「教室は私語厳禁です。試験が終わるまでは席を立たないように。」


高圧的かつ低い声でそう言うとすぐに試験用紙が配られた。


「チャイムがなるまでは開かないように。」


念を押すようにそう言うと教室は物音ひとつしなくなった。

チャイムがなると一斉に紙をめくる音がする。


問題は想像していたものよりも優しく感じた。

見直しをして全てを解き終えるとゆかは机に突っ伏していた。


もう一度チャイムがなると解答用紙と問題用紙は回収され

私たちは教室を出た。


「みり、どうしよう自信ないかも。」


「良く言うよ早く解き終えて机に突っ伏してたじゃん。」


「あれは諦めの姿勢だよwでもせっかくここまできたんだし落としたくはないな〜。」


「それな。」


階段を降り受付横の壁に取り付けられたモニターを見る。

まだ結果が出るには早いが、合格者はそこに表示される。

ゆかと横並びに座り2人とも無言で結果を待つ。

そこに1人の男性教官がゆかの目の前で立ち止まった。


「谷さん、どうでした?合格してそうですか?」


「う〜ん。ちょっと不安ですね。」


「そうですか、あと少し待てば結果が出るので祈っていてください。」


それだけ言うと彼は席を立ちどこかへいってしまった。


「今の、ゆかの担当教官?」


「そうそう。怖いでしょ?」


「そうだね。なんか空気感が。」


「技能の運転中もねすっごい怒るのあの人。」


そう言われると杉本さんはどんなに下手でも怒った事はなかったなとふと思い出す。

すると


「橋元さん?」


そう言われ横を見ると

杉本さんだった。


「どう?うまくいけた??」


そう言いながら彼は私のすぐ隣にちょこんと座った。


「まだわからないですね。」


「大丈夫大丈夫橋元さんは。」


そう笑顔で杉本さんは言った。


「あともう少しで結果が出るし一緒に見るね。」


そう言い彼もモニターをじっと見ていた。

時間ぴったりにモニターの画面は切り替わり受検者番号がびっしりと書かれていた。


「あった!」


はじめにそう言ったのはゆかだった。

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