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助手席  作者: 狸
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見慣れた

教習所に行かない日はなぜか時間の流れが遅く感じた。


4回生だった私は卒論に追われるものの講義はもう週に3、4個程度だった。

バイトも前のことがあり中々やる気が起きず教習所のお金は就職してから返せばいいかなどと堕落そのものだった。

朝から晩まで家にいることが多く男の1人や2人を連れ込むことすらなかった。


暇だしな。とスマホから技能予約を見ていると

こないだまでは空いていなかった今日の午後の欄が青くなっていた。

杉本さんがああ言ってたし、担当で今日取ろうかな。


青が赤に変わる。

これで今日もまた教習所に行かないと。


ダラダラした後服を考えベージュのニットにジーンズ。ミニバックを持って家を出た。

15分程度で着く道のりの景色は見慣れたものに変わり音楽を聴きながら停車ボタンを押す。


教習所に入る前、ロビーのある等のすぐ隣の棟、教員室にふと目をやると

ガラスのドア越しこちらに背を向けている杉本さんが見えた。


技能予約取れるんだからそりゃいるか


ロビーに入り時間まで椅子に座りテレビを見る。


「わっ!!」


そう言われびっくりして後ろを見ると何かにつけてよくしてくれるあの若い教官。


「びっくりした?」


「そりゃそうですよ。」


「あはは〜。どう?最近技能頑張ってるんでしょ。教習所で見ない日ほぼないもんね。」


「補習なりかけです。」


「あちゃ〜。安心プラン入ってなかったよね確か。」


「ですね。」


「金銭面が心配?それとも他の?」


「あんまり周りで補習って聞かなくて。」


「あ〜。じゃあ器用な子が周りに多いんだね。周りは気にしないで自分のペースで頑張って。焦ると運転にも影響が出るから気楽に。俺の知ってる子で本来の受ける技能の数の倍補習になった子いたからね。向き不向きがあるのは仕方ない。」

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