どこで切るの?首切っちゃうの?
♩君だけ のたれ ヒーロー♩
♩君だけ のたれ ヒーロー♩
「マスター、オリンピック終わっちゃいましたよ。」
「うん、おわっちゃったねミッキー。」
「しかも僕 まだバイト初日ですよ。
オリンピックの変な所を いじりまわして遊ぶ予定じゃなかったんですか?」
「うーん 書いてるヤツがさ、昼寝と居眠りが大好きな上に、並行して書いてるヤツに変なこだわり持っててさ。
時代物のリアリティなんつって、一々考え込むから 筆が遅いんだよ。
そんでさ こっちがかなりおろそかになってんだろうね。」
「困りますよね、なんだか冒頭の歌詞も うろ憶えだし。
多分 サビの部分しか知らないんですよ。
NHKのオリンピック ダイジェストで繰り返しかかってましたから、うんざりして ちゃんと聞く気しないんでしょうね。
それにしても (のたれ )って何でしょうね。
たとえそう聞こえたとしても、(の為)って脳内変換するべきでしょう。
ハリウッドザコシショウが古畑任三郎のセリフがハンマーカンマーって聞こえるのと比べたら、レベル低いし つまんないし。」
「まあ そう言わずに、これもいじりまわして遊んでみようじゃないか。」
「面白そうですね、のたれ って言ったら まず野垂れ死にの のたれ ですけど、
餃子のタレ の のタレ かも知れませんね。」
「君だけのタレ ってことだね。
そんな歌詞の歌を オリンピックを応援してますって、真剣切って歌ってたら バカみたいで面白いかも知れないね。
のたれ をどこで切るか、句読点をどこで打つかって事だね。
ところでアカペラ はどこで切るか知っているかな?」
「知ってます ア、カペラですよね。
イタリア語でしたっけ?アとカペラって二つの単語になると思いますけど、それぞれどういう意味なんですか?」
「知らないねえ、多分 一人で歌います なんて感じじゃない?」
「うわっ!出題しといて凄い適当。
話が膨らまないじゃないですか。
じゃ僕から出題しますね、ヘリコプターってどこで切るか分かりますか?」
「タケコプターがあるくらいだから、ヘリ、コプターなんじゃないか?
でもそれじゃ問題にならないな、ア、カペラみたいに、ヘ、リコプターだったりして。」
「考え方は正解ですけど、ヘリコ、プターが正解らしいですよ。
ギリシャ語で 螺旋のヘリコと翼のプターなんですって。
それだとタケコプターは、竹子プターになっちゃいますよね。
この前の日曜に安住紳一郎の日曜天国ってラジオ番組でやってました。」
「それは僕も聞いてたよ!
他にもあったね、モンゴリアンチョップだったっけ?意外な所で切るんだよね。」
「いやいや、それは モンゴリアン、チョップでいいと思いますけど。
清々しい くらいの記憶違いですね。
あとはですね、カメハメハ大王はカ、メハメハだとか、キリマンジャロはキリマ、ンジャロってのがありましたね。」
「それじゃ しりとりで (ん)で終わってもンジャロって続けられるじゃないか!」
「同じラジオ番組 聞いてたのに 随分と新鮮なリアクションですね。
ちなみに キリマは山で、ンジャロは輝くって意味だったと思います。
スワヒリ語って言ってたかな?」
「へー 良く知ってるねぇ。」
「いやいや マスターも知ってるべきなんですけど。
それじゃ 僕のオリジナルの問題 行きますね。
ウルトラマンコスモスはどこで切るでしょうか?」
「ミッキー、君も野心家だね、そういうキャラで行きたいのかな?
たった1日で この店に染まりきってるね!
切りたいね!ああ!切りたいよ!」
「やめときますか?ここ(小説家になろう)からつまみ出されても困りますからね。」
「でも切りたいよ!スモスなんて切り捨ててしまえ!
おあつらえ向きに客もいないし、大声で言いたいよ!
ウルトラマ…」
「ああああああ!!」
「腹減ったね、まかない作ろうか。」
「ああ!良かった!思い直してくれたんですね。
そうだ!魚蔵の旦那から鯛の切り身を貰ったんです。
まかない だったら僕が作ります、贅沢に鯛のお茶漬けなんてどうでしょう。」
「いいねえ!」
♩フレーフレーいっぱいだね いっそきれいに死なせてくれ♩
♩チェーチェーマッポ不在だね 台東区だけが不法地帯♩
「いやー美味かったよミッキー。
本格的じゃないか、普通 鯛の切り身 貰って お茶漬けって発想は無いよ。
感心しちゃうよ若いのにさ、どこで習ったんだい?
もしかして 板前の修業を挫折して高校生になったとか?」
「いいえ、普通 逆ですよ。
料亭やってる おばあちゃんに習ったんです。
学業ドロップアウトして職人になるってパターンは良く聞きますけど、
18歳の僕に一体何があったんですか?」
「へー古風な お家柄なのかな?
料理が得意なんて頼もしいね、新しいメニューにしてもいいよね、このお茶漬け。」
「えっ?!嬉しいですけど、これでお金貰うなんて何だか畏れ多いです。
それより 何ですか このBGMは、椎名林檎のNIPPONらしいですけど、
うろ覚えどころか 思いっきし脳の中で書き換えられてますよ。
さっきの安室奈美恵といい、
ワールドカップの中継やらで 何度も聞かされてうんざりしてるんでしょうけど、もはや原型が無いじゃないですか。」
「まあ 好きにさせてやりなよ、こっちは息抜きでやってんだろうからさ。
それじゃあさ、お茶漬けの お礼にバーテンダーの真髄、シェイカーの振り方 教えてあげるよ。」
「えっ!いきなりですか?!
野球 始めてた初日に、フォークボールとかナックルとか教えて貰う感じなんですけど。」
「そんなに身構えることはないよ。
案ずるより産むが易しってね、君ならすぐに覚えちゃうと思うよ。
まずはね、握り方だね、よく映画とかでは 気取ってシャカシャカやってるけど、
あんなのは実際の現場じゃまず見ないね。
本場のプロはこう!」
「わしづかみじゃないですか?ちっともプロらしくないんですけど。」
「そんな君に徳川家康の格言を一つ教えてあげるよ。
(プロっぽい奴はプロじゃない)
覚えておくといいよ。」
「あの…徳川家康がプロって言うはずないじゃないですか。」
「でね、こう がっしり握ったら、全身の筋肉を使って振るんだ。」
「あっスルーした。」
「バスケのフリースローも膝がキモだろ?
西武の中村も 腕の力じゃホームランは打てないって言ってる。
シェイカーも同じ…」
「意地でも スルーするつもりですね。」
「全身に力を込めて こう!!」
「あははは!あははは!あーはっはっは!
遠目で見たらシェイカー振ってるなんて絶対見えない!
凄え!あははは!あははは!」
「何だいミッキー、全然 笑うところ無いじゃないか。
せっかく 真面目に教えてあげてんのに。
僕は不愉快だよ。」
「笑うところしかないじゃないですか。
何ですか、恐い顔してシェイカー差し出したってやりませんよ。」
「はあ?ちゃんとやれる自信無いのかな?」
「やりたくない理由は別にあります!」
「自信無いんだろう?笑いを取る自信が。」
「やりましょう!」
「あははは!あははは!あははは!あははは!凄え!凄え!ミッキー合格!
今からカクテル担当は君!!」
「何だか今夜は賑やかね勇人…ちょっと嘘でしょ!
うふふ!ふふっ!あはははははー!」
「はっ?!」
「あなた 面白いのね、新しいバイトさんね。
私は高田 恵、二つ先の横丁で スナックやってるの、よろしくね。」
「あ!あの佐藤 実樹貴です!よろしくお願いします。
そしてマスター!今の僕の気持ちは将門1.7です!」
「将門って何かな?」
「恨みつらみの単位です!」
「それって 1でも相当でかいんじゃない?!
平将門1.7個 分の恨みつらみって相当だよ!!」
「今 僕の首を切ったら、首だけが飛んで一生マスターを追いかけ続けます!」
「うふふ、うふふ、とんちも効いてるのね。
今夜はこの子と飲みたいわ。
サシ飲みよ、邪魔しないでね、それじゃまた。」