目をつぶって空を見上げる。
目をつぶる。
そうすると、心が少しだけ落ち着く気がするんだ。
そして、空を見上げる。
そうすることで、僕の心が洗われるような気がする。
雨が降っていたら、僕の心は綺麗になる。
ゼロに戻る。 リセットされる。 僕の心は元に戻る。
嫌なことを忘れたい。
そう思って、目をつぶる。 そして、空を見上げる。
晴れていたら、そこには青空が広がっている。
どこまでも、どこまでも、果てしない青が広がる。
その中に、暖かい色がひとつだけ混ざっている。
それはまるで、君の存在。 僕が想う、ただ一人の存在。
大好きで、大好きで、夜も眠れないくらい想っている。
「好き」と伝えるには、少し勇気が足りなくて、
「愛してる」と言うには、かなり恥ずかしくって。
僕の気持ちをまだ君は知らないだろう。
だけど、僕は君にこの想いを知られたくない。 隠し通したい。
別に、僕は好かれたいわけじゃなく、見ているだけで十分。
それ以上は求めない。
僕の人生で、君を見つめている時間が最も幸せ。
他の人よりも感覚が少しずれているのかもしれない。
好きな人に彼氏がいても、僕は気にしない。
その人のそういうところも含めて好きなわけだから。
僕は僕。 不幸に生まれたから、こんな人生でも仕方がない。
僕は必要以上に求めない。 今の人生でも満足している。
君を眺めることしかできない、ちっぽけなこんな僕。
「好き」と言えない僕。 一歩が踏み出せない僕。
恐怖を覚えたわけではないけれど、
この気持ちを君に知られることが、少しだけ怖いんだ。
明日と今日では世界が変わってしまう。
そんな気がするんだ。 それだけは、絶対に嫌だ。
だから、僕は隠したい。
だから、僕は空を見上げる。
こぶしをギュッと握って、空を眺める。