伊勢
名前 伊勢憂臣 いせユージン(本名:忠郎 タダオ)
身長 167
体重 74
部活 帰宅部
趣味 サバゲ、銃火器による知識を貯め込むこと、射撃
得意とする物 国語、生物
苦手とする物 英語、数学、持久力を要するもの
関西出身の高2、銃火器オタクであり、脳内では日々、学校でのテロリスト、ゾンビとの戦闘が繰り広げられている。関西弁もどきの喋り方が特徴。
本名が平凡と小学生の頃から思い込んでおり、親しい友達と話のわかる先生にはこの名前で呼んでくれるように頼んでいる。名前の由来は尊敬するアーマライトの開発者+龍神(の発音がカッコよかったので、カッコ良さげな感じを当て字にした結果)
「……ですね、はい。それでは次のニュースです、民衆党代表外山首相は日本時間の昨夜11時過ぎアメリカのヒューズ大統領と会談し対日貿易で日本側のアメリカ製品輸入増加の考えを示しました。これにヒューズ大統領は好意を示し――」
寮の食堂のテレビから朝の国営放送のニュースキャスターの声が流れる中、明国院高校二年の俺こと伊勢ユージンはあわただしくご飯に味噌汁をかけるとそれを掻き込んで席を起った。
時間は午前8時19分――
本来ならばいつもの自分の教室で気の合う仲間と授業開始まで趣味の話で盛り上がるはずだった……のだが――
「やっべぇ、やっぱ昨日遅くまでミクミク動画なんか見とるんやなかった! このままやと完全に遅刻しちまう! おばちゃん、ごちそう様! 食器はここに置いておくから!」
俺は食器の返却口に乱暴にトレーの食器を置くと自分の学生鞄を掴んで一目散に学校に走り出した。昨夜のミクミク動画で音ゲーmadを見て布団の中で笑い転げていた自分に腹が立つ。
寮の玄関で自衛隊のつかっているようなブーツを走りながらかかとを整え、制服のネクタイをしめている暇がないからポケットにねじ込む。
さすがにこの時間だけあって通学路には誰一人としていない。――いや、訂正。自転車に乗った同じ学校の生徒がマッハで俺を追い抜いていく。この大きすぎる学校に、俺みたいに徒歩で学校へ向かうような奴がいない。なぜなら俺の通学の友であり唯一の愛車――アルファ2000(伊勢命名の自転車)は昨日友達と帰る際によせばいい物を新発売のゲームを買いたいがために、雨の中を疾走してタイヤを滑らせて電柱に突っ込み大破させた。
アルファ2000と一緒に過ごしてきたハイスクールライフを俺は忘れない。さよなら、アルファ2000、バカなオーナーを許してくれ……
――嗚呼、俺ってホントバカ……いっぺん死んだ方がええんとちゃうかって自分でも最近思うわ。
「あと2分と25秒……! クッソ! 間に合うか!?」
横っ腹がいてぇ……。
俺は柄にもなく全速力しているせいで、掻き込んだみそ汁をリバースしそうなのを堪える。
大好きだったアルファ2000との思い出劇場を頭の中でシャットアウトすると左手の時計――自衛隊の基地祭で購入した日の丸の入った陸自仕様の時計――で正確な時間を確認しつつひたすら教室に向けて走る。
頭の中では24時間で任務を遂行する主人公演じる某映画のBGMがカッコよく鳴り響くが今は肺に酸素を送り込むことで精一杯や。頭にまで無駄な酸素を送る余裕なんてないんや。
普段なら食パンくわえた転校生の女の子とぶつかって縞パンが見えないかなんて中二病特有の症状にさいなまれる普段の変わらない学校までの道のりだが今は頭より足を動かす。時間がないんや! 巻きで行くで! 巻きで!!
「あと、24秒!」正確には残り32秒だがこまけぇこたぁええ。俺はとりあえず玄関に着いた。
俺はブーツを自分の出席番号の靴箱へねじ込むと、上履きも穿かずに足でドリフトをキメながら階段の踊り場を最短ルートで駆け抜ける。
――キーン……
「はっ! ヤバい! チャイムが鳴り始めやがった! 俺の今の現在地から教室まであと距離にして100メートル切ったで……後10秒で教室に入れば皆勤賞は死守できるで!」
俺は廊下の曲がり角の内側ギリギリを足ドリで攻めながら走る。一人GTやなコレ。
――コーンカーン
「まだやぁ! まだ終わらんよぉぉぉ!!」
すでに生徒は教室に入っているので廊下は俺以外無人――何も知らないやつがこの光景を見たら即座にキチ〇イ認定されること間違いなしだ。誰かが落したプリント用紙が俺の走る時の風で吹き飛ぶ。
――カーンコー……
「ッタッチィィィダァウゥゥゥン!!」
チャイムの擬音「ン」が聞こえると同時に俺は教室にスキージャンプの選手のごとく飛び込んだ。周りがスローモーションに見える。こういう時の一秒ってなんか長く感じるよな。因みにタッチダウンといったのはご愛嬌やで。
――ズザァァァァァキュキュキュッ
無機質なアクリルの床に俺はキタナイボディスライディングを決め込むととりあえず叫んだ。
「遅れましてすみません!! セーフですかっ!?」俺はうつ伏せの状態から立ち上がりつつそう言った。しかし……いきなり教室にタッチダウン決め込んだ俺をクラスの全員が唖然として見ている。その中からは笑い声が聞こえてきた。
「……なんか変や?」俺が変だと思ったことはクラスから漏れる笑い声ではない。
去年、俺が一年生の頃だったらそれなりに顔を合わせていた生徒――最近見かけないと思っている奴らまで一斉に俺を見ているではないか……
そして一番俺に近い所の席に座っていた物部良治がいた。彼とは一年の頃は同じクラスやったけど……
ここから俺がいる場所は全て整った。女子の視線、笑いを咬み殺す声が俺に突き刺さり、それを悟った瞬間に俺の背中には冷や汗が流れた。
「すみません、クラス間違えました……」
「待たんかい!」
俺は隣のクラスの担任が追っかけてくる前に素早く自分の教室に入り、厳かに着席した。周りの皆、特に女子の視線が痛い。
クラス担任の先生が顔をひくつかせながら俺の席の近くまでゆっくりときた。
「伊勢~!!」案の定俺は担任の先生に説教をくらうのだった。