水遊び
7月28日
地面に撒いた水が、数分もしないうちに、蒸発して乾き切ってしまうほど、暑い日々が続いている。
魔法でどうにかして、部屋の温度を下げているが、気持ちながらか、ステラがぐったりとしていた。
元気がないのか?
こんな日々だし、仕方ないか…
そうだ。水遊びはどうだ?
昨日から準備してたのがあるんだ。
少し待っていてくれ。
私はしばらくその場を離れ、また、ステラのいる部屋に戻ってきた。
はい、ばんざーい。
ばんざーい!!
ステラは、私が言った言葉を真似して、両手を上げる。
私はステラを、普段着ている服から、水着に着替えさせた。
よし。これで準備万端だ!
よく似合ってるじゃないか。
私はそっとステラの頭を撫でた。
う!抱っこ!抱っこ!
はいはい。分かったよ。
それじゃあ、行こうか!
私はステラを抱き抱えて、家の裏手に回った。
家の裏には、ステラが座った時、ちょうど、ステラの体が半分くらいまで浸かる、浅く広いプールが有り、その中には、水の中でも遊べるおもちゃが、いくつか入っていた。
プールの上には、日の光が当たらいよう、大きな屋根で覆われていて、涼しい風が心地よく感じられる。
私は早速、ステラをプールの中に入れて、水遊びをさせた。
ステラは、プールが気てくれたのか、楽しそうに、水をバシャバシャとしたり、おもちゃで遊んだりしている。
頑張って準備した甲斐があったな。
私は、プールの外からステラを見て、そう呟いた。
し、しょー! 中! 一緒!一緒!
突然、ステラは、夢中になっていたおもちゃから目を離し、私の方を見て水をぱちゃぱちゃと叩いた。
わ、私も入るのか?
うん!一緒!一緒!
…仕方ないな。
それじゃあ、一緒に遊ぶか?
うん!
ステラはにっこりと笑った。
私は、ステラに呼ばれるまま、プールに入り、ステラと一緒に、水遊びを始める。
私が、ステラに水をかけると、ステラも負けじと、水をかけ返してきた。
そうやって、水のかけあいをしたり、おもちゃを使って、遊んだりして、私とステラは、ある程度時間が経つまで遊び続けた。
もちろん水分補給と、おやつをしっかり取って。
ご飯を食べたあと、遊び疲れたせいか、横になるとステラはすぐに寝てしまった。
寝た…か。
よほど遊び疲れていたんだな…
私は、ステラの隣に座り、毛布の上から、ステラのお腹を小刻みに、トントンと、叩いていた。
見れば見るほど団長に似ているな…
このまま大きくなったら、団長と瓜二つになるんじゃないのか?
私は、軽く冗談混じりに言った言葉で、一人笑った。
それとも……
いや…なんでも無い。
私は、口先まで出かかっていた言葉を飲み込んで、これ以上何も言わなかった。
私は、ステラのお腹をトントンするのをやめ、人差し指で、ステラのほっぺたをそっと触った。
すると、ステラは、う…う…と唸り、私の手と逆の方に頭を傾ける。
私は、そんなステラの様子を見て、軽く微笑んだ。
時の流れとは不思議だ。
一日はとても長いが、振り返ってみれば、そうでもなかったりする…
この長く、短い時間はいずれ終わってしまうのだろうか?
できれば、いつまでも終わらないでいて欲しい。