ギフトの検証
ケイドがギフトを授かり数日が経ち、タイルとマキナは、ケイドの能力をより詳しく理解するために、一連のテストを行うことにした。
「今日はケイドのギフトについてもっと詳しく見ていきたいと思う。」
ギフトについては5歳の誕生日に授かり、昔からその使い方を知っていたかのように自然と理解することができるという。ケイドもタイルにギフトのついて説明をしていたのだが、理解できているのとそれを使ってる見るのとでは雲泥の差である。また、タイルも実際に息子がどんなギフトを授かったのかを見てみたくなったのだろう。
「色々な物を用意したから、それらを使ってギフトを試してみてくれ。」
タイルがケイドを庭に連れ出しながら言った。
ケイドは興味津々といった様子で、用意された物品を眺めた。小石、木の枝、果物、花びらなど、様々な無生物が並べられている。
最初に、ケイドは小石を手に取った。石に意識を集中すると、不思議なことに石がみるみる小さくなっていく。
「お父様、石が小さくなりました!」
ケイドが嬉しそうに叫ぶ。
「素晴らしい!では、次は硬さを変えられるか試してみよう。」
タイルが別の小石を渡す。
ケイドは再び集中した。今度は石の大きさが変わると同時に、明らかに硬度が増しているのがわかる。
「お父様、石が硬くなっています!」
ケイドが報告する。
「なるほど、圧縮する際に大きさだけを変えるか、大きさに応じて硬くするのかを選べるわけだね」
タイルが感心しながら言う。
「次は生物でも同じことができるか、試してみよう」
タイルはダンゴムシを手に取った。最初はダンゴムシを小さくすることに集中したが、うまくいかない。
「お父様、ダンゴムシは石ほど簡単に小さくならないみたいです...」
ケイドがちょっと悔しそうに言う。
「そうか、無生物と生物では扱いが違うのかもしれないね」
タイルが推察する。
その後、木の枝・果物・花びら・食器・魚などで試してみると、魚以外はどれも小さくすることができることがわかった。
「すごいじゃないか!ケイドのギフトは、生物以外のものを小さくすることができるんだな!」
タイルが誇らしげに言う。
「これは非常に応用の効く能力だと思うよ。」
その後も、ケイドは様々な物を使ってギフトを試した。
「ケイドのギフト、本当にユニークですね。」
マキナが微笑みながら言う。
「きっと、大きな可能性を秘めているはず。」
テストが終わった後、タイルとマキナはケイドを抱きしめた。
「ケイド、今日のテストでわかったことは大きな収穫だ。」
タイルが優しく語りかける。
「これからもギフトを伸ばしていってくれ。私たちはケイドの力になるから。」
「お父様、お母様、ありがとうございます!」
ケイドは両親の愛情に包まれ、幸せそうに笑った。
「僕、もっと頑張ります!」
ケイドのギフト検証の日は、ケイドの可能性と両親の期待に満ちた、特別な一日となったのだった。