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初めての町

 辰徳が代表してその町の中へ入った。

 城壁で囲まれた町だ。

 かなり大きい。


 中に入る前に、ここら辺という場所を決め、中に入ってもらった。

 夜になってから、その辺りに階段を魔法で出した。

 城壁の上で、辰徳から染粉を貰い、翌朝門で待ち合わせをすることを打ち合わせると、俺たち3人はとっと城壁から離れ、街から見えない所で高橋の水を使って髪を染めた。


 井ノ川が緑。

 高橋が赤。

 俺が紫だ。


 もう一晩だけ野宿をし、翌朝一番で町へ入った。

 門をくぐると辰徳が待っていてくれ、町中を案内してくれた。


 定番の冒険者ギルトと安い宿屋。

 辰徳はギルドに紹介してもらったその宿屋で昨晩寝たらしい。

 俺たちもギルドで登録し、ギルド割引を使って同じ宿に落ち着いた。


「井ノ川、高橋。俺と辰徳はパーティを組んでここで金を貯め、移動が出来るまで貯まったら、次の国へ行こうと思ってるんだが、お前たちも俺たちと一緒にパーティを組むか?」

 今回の逃亡劇は俺から始まった。

 俺としては俺と辰徳が逃げれれば良かったのだけれど、勿論クラスメイトたちも助けたいと思っている。

 ただ、山口や斎藤の様に、脱出するまで知られてしまうと失敗する率が高くなるヤツまでを助けるのは荷が重かったので後ろ暗くはあるけれど置いて来てしまった。

 井ノ川は高橋と辰徳、どっちが誘ったのかは知らないが、仲間を見捨てた形の俺たちと同じパーティを組む心算があるのかどうか分からない。

 なので、一応聞いておかないとと思ったのだ。


「おまっ!ここまで来て、俺を見捨てるのかっ?」井ノ川は心底驚いた様に仰け反っている。

「いや、見捨てる気はないが、俺たちと一緒は嫌だと思っていたらいけないので、お前がどうしたいのかの確認をさせてもらっただけだよ。俺や高橋は魔法が使えるので、もしかしたら異世界人だとバレてしまうかもしれないからな。俺はお前や高橋とも一緒にパーティを組みたいと思ってる」

「おう!」

 井ノ川はよっぽど驚いたのか、鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしていたが、慌てて「よろしく」と付け加えた。

 高橋も当然の様に「頼むぞ」と言って来た。

「「「よろしく」」」


「じゃあ、ギルドでパーティ登録をしよう」


 俺たちのパーティはこちらの文字で「RW」に当る名前にした。

 ランナウエイの頭文字だ。


 木製の受付台に並んでいるギルド職員の中から中年の男性を選んで並び、この町での稼ぎ方を聞いた。

「皆さんは昨日と今日、登録されたばかりのなのでFランクです。そちらの掲示板にあるFとEの欄の募集に応募する事が出来ます。或いは募集が出ていなくても町の外の魔物を狩って持ってくれば魔物のランクや状態に合わせた報酬を受け取る事が出来ます」

「どちらの方法の方が実入りが良いですか?」

 すかさず高橋が尋ねた。


「EやFランクのお仕事は単価が非常に安いです。もし、腕に覚えがあるのなら、町の外で魔物を狩って来る方が実入りは良いです。ランクアップは魔物討伐でもポイントは上がって行きますので、それぞれの実力や得意不得意を考慮して仕事を選ばれると良いですよ」


「魔物はどの辺に出没しますか?」

「町から数キロ離れた所に森があります。ああ、町の北側ですね。そこへ行けば色んな種類の魔物がいます。森の奥へ入れば入る程強い魔物が出ます。後、町の外で狩りをする場合は、21:00までに門をくぐらないと町へは入れなくなります」

「色々と教えて頂き、ありがとうございました」

「いえいえ、頑張って早くランクを上げて下さいね」


 高橋とギルド職員のおっさんの会話で大分実情が分かった。

 戦闘能力が高いと言われている異世界人である俺たちには魔物討伐が一番合っていそうだ。 

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