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魔法の練習

 午後からの魔法の授業は、初日に振り子の塔でダムエルの横に無言で立っていた赤マントの男が担当していた。 

 魔術院の院長らしい。


 生まれて初めて魔法が使える様になるということで高橋もだが、俺もとってもソワソワしていた。

 何故か、リーブンや第二王子もだ。


「すごいです!流石勇者様だ。これが魔法かぁ」とリーブンは目をキラキラさせながら俺を見て来た。

 男にそんな目で見られてもうれしくないぞっ。


 院長の授業は分かり易く、俺は魔力操作というスキルも持っていたからか、すぐに魔法が使える様になったが、高橋はまだ体内の魔力を上手く使えない様で、初日から魔法を撃つということはなかった。


「記録によると、今まで魔力操作というスキルをお持ちの勇者様はいらっしゃらなかったので、実のところどんなスキルなのか分からなかったのですが、すごいですね。推察するに、体内の魔力を上手く使うためのスキルの様ですね。初日から魔法を使える勇者様は今までいらっしゃらなかったそうです」と院長も俺を褒めそやすが、高橋のフォローも忘れていなかった様で、「高橋様、普通魔法を使える様になるまでに3日から10日くらい掛かると文献にございますので、焦らずじっくり練習していきましょう。何より高橋様は魔法スキルを3つもお持ちですので、一度魔法を撃てるようになれば直ぐに様々な魔法をお使いになられると思いますよ」と慰めていた。


 院長によると練習を積めばある程度火力も上昇するし、必要とされる魔力も少なくて済む様になるらしい。


「どのくらいの期間練習したら上限に到達できるのですか?」

 珍しくリーブンが横から講師に質問したので、院長は彼の方を向いた。

「そうですなぁ。勇者様にもよりますし、どのくらいの頻度で練習されるかにもよるのですが、2ヶ月くらいで一旦力が落ち着く様ですなぁ」

「山田様、素晴らしいですね。これはどんどん練習しないとですねっ」とリーブンが興奮して両握りこぶしを体の前で上下に振りながらこちらを憧れの眼差しで見て来る。

「お、おう・・・・」


 その夜の夕食では、リーブンが一人、俺の魔法について話し、他全員はずっと聞き役に回った。


 翌日はからは暇さえあるとリーブンは俺の部屋に来て、魔法を見たがったので、否応なしに魔法の練習しているのと同じ事となった。

 惜しむらくは俺の魔法は土魔法だけなので地味だということだ。

 高橋の様に3つもスキルがあればよかったんだけどなぁ。

 それでも土魔法を見せる度にリーブンのテンションが上がるので、まぁ、俺も魔法の練習は満更でもない感じになっている。

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