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09 新たな仲間

「今回は上手くいったけど、次も上手くいくとは限らないわ。だから仲間を増やそうと思うの。アナタの強化も合わせてね」

お嬢様が朝イチにそんな事を仰った。それにしても仲間か……。確かに先の戦争で捨て身の攻撃までしてやっと勝てた、しかも勝てたのはただの運だった。

「仲間と仰いますがどうやって集めるんですか?」

「アナタには言ってなかったけど、魔力が多すぎると産まれる前の体が変質するのよ。あなたの髪や私の髪も変質した人間よ」

ん?でもおかしいお嬢様の魔力はこの国の王様や戦争で戦った男よりも少ないはず。

「お言葉ですが、お嬢様魔力量が多いと仰いますが。お嬢様の魔力量は王様とかよりも少ないですよ」

「あぁ人間の帯びてる魔力は保有量じゃなくて使える量なのよ。人間は無意識に魔法を使うために体の周りに魔力を纏わせているわ。それを魔力感知で見ているのよ」

ということらしい。なかなか難しいシステムだ。魔力感知では本来の強さは測れないのか。

「使える魔力量は魔法を使うことで増やすことが出来るわ」

私の使える魔力量はどれくらいなんだろう?魔法の練習は欠かさないが……。魔力感知では何故か自分は見れないんだよなぁ。まぁもっと強くなってから調べよう。

「それで変質した子達は見た目が変わる子もいるのよ。だから虐げられて生きているわ。黒髪の扱いよりマシだけどね。」

そこで私を比較にしなくても……。

「つまり?その子たちは私と同じような生活をしているってことですか?」

「そういうことよ、だからスラム街とか奴隷商で探せばある程度見つかると思うわ」

なるほどな、でもお嬢様をスラム街に行かせる訳には行かないな。

「お嬢様その子達を探すのは私に任せて下さいませんか」

「アナタが?………分かったわ。すぐに見つけなくてもいいわ次私が出る戦争はまだ先だからね」

よし許可が降りた。お嬢様はゆっくりでもいいと仰ているけど……まずはスラム街を探そう。


***


「こんなに探しても見つからないとは」

探し始めて既に1年は経ちました。お嬢様に申し訳がたちません。

「私もここまで見つからないとは思ってなかったわ」

「うっ申し訳ありません」

「いえ責めてるわけじゃないわよ」

スラム街や様々な奴隷商を見て回りましたが、見つかりませんし、奴隷商の方に購入されたか聞いても流石に秘密契約を交わしてあったようで話してくれませんでしたし。

「報告!例の盗賊団が襲ってきています」

最近、領地の盗賊団が活性化している。襲撃はこれで3度目だ。

「盗賊の量は?」

「大体100人位です」

100人ですかなかなか多いですね。前までは50人位で襲ってきていたのに。

「はぁ懲りないわね。仕方ない私が出るわ」

お嬢様が動くとは珍しい、いつもは私と兵士の方が殲滅しているのに。

「クリム出るわよ」

「はい分かりました」


***


「あの鎧……王国のものじゃないかしら?」

何故王国の鎧が?盗賊が王国兵を殺して奪った、もしくは王国兵そのもの?確か王国は敵前逃亡を死刑にしていたはず。それのせいか?なんて厄介な。

「殲滅しますか?」

「いえこの規模の盗賊団が統率を取れているのはおかしいわ。リーダーがいるはずよそいつ以外は殺しなさい」

魔力感知で見た感じ1人だけ異様に魔力が多い人間がいる恐らくアイツがリーダーか?

「正面の奥に魔力が多い人間がいます。恐らくそいつがリーダーかと」

「なるほどアイツね。あれは……変質してる?あの異様な筋肉量……。クリム、あのリーダーらしき奴は私が出向くわ。他はアナタが殺りなさい」

少しお嬢様が嬉しそうに私に命令する。私は一言「分かりました」と言い盗賊団の殲滅に向かった。


「なっ何だぁ?」「女か?ここに1人で来るなんて。おいお前ら警戒しろ!」

思ったより慎重な盗賊に驚いたが、私は一人一人確実に殺していく。

「なんだこいつ黒髪の癖に強えぞ!」「リーダーは来ねぇのか?」「やべぇぞ、ぐあァ」

流石に量が多いですね。殺しても殺してもキリがありません。ならば最近出来るようになったこれで。

「【部位崩壊・足】」

中位魔法【崩壊】の範囲攻撃タイプで指定した部位を崩壊させる上位魔法だ拘束するにはうってつけだ。

「ああ足がぁ」「イテェよォ」「助けてくれぇリーダー!」

足が消えただけですごい阿鼻叫喚ですね。

「助けを求めてもリーダーらしき人はお嬢様が相手をしているのできませんよ」

私は動けなくなった盗賊団を確実に殺して行った。


「はぁやっと終わりましたか。盗賊団程度の奴でもこれだけいれば時間がかかりますね。お嬢様は大丈夫でしょうか」


***


「あの子は大丈夫かしら」

私は1人で盗賊団を殲滅しに行った従者を心配する。

「オイオイ貴族の嬢ちゃん自分の心配じゃなく従者の心配か?」

男が考え事中に話しかけてくる。

「だって私貴方には負けないもの」

「おう言うじゃねぇか」

男が剣を取り出し戦いの準備を始める。それに合わせて私は魔法の準備をする。

「オラァ」

「【聖なる場所(ホーリーエリア)】【命の守り】」

男は私に斬りかかってくるが私の魔法によりダメージが消された。聖魔法は基本、本人が死ぬことは無い。今使った魔法は。

【聖なる場所】:敵とみなした者に傷を与え魔法使用者は持続して傷を治す。

【命の守り】:即死級の攻撃を1度防ぐ

どっちとも最上位の魔法だ。放置していればこの男は死ぬけど、珍しい変質した人間だここで仲間にしたい。

「ここで戦っても貴方は死ぬだけよ。どう?私の仲間にならないかしら」

「ハッハ俺は自分より強い奴にしか付かねぇ。仲間にしてぇなら俺より強いって証明してみろ」

なかなか強情ねこのまま続けても意味は無さそうね。なら。

「おっ剣を出したな。やる気ってことか」

剣と剣が交じり合う。魔法をかけていなかったら腕の負担は計り知れないわね。まぁ別に力が強くなる訳じゃないから押し合いになると負けるけど。

そろそろクリムの方も終わりそうね。私の方も終わらせましょうか。

私は男の剣を躱し頭に向かって剣を振る。フリをして魔法を掛ける。

「【安心なる眠り】」

この魔法はクリムにも数回かけたことがあるわ。強制的に眠らせる魔法。この男が起きた時に私の方が強かったと思ってくれると助かるけど、どうなるかしら。正直戦うの面倒くさいのよね。


***


「お嬢様その男は眠っているのですか?」

私が戻ってきたらお嬢様が男の上に座っていた。正直ビックリしましたが気にしないようにしています。

「魔法で眠らせているわ。起きたら私に合わせて頂戴」

お嬢様がよく分からないことを頼んで来ました。内容が読めてきません。まあ合わせるだけなら構いませんか。

「分かりました」

「ぅぅん腹が……」

ちょうど男が起きました。

「オメェ何腹に座ってんだ?ってかなんで俺眠ってたんだ?」

男がなんだか思い出そうと唸っていますがいくら経っても思い出せそうになかったためかお嬢様が話し始めた。

「あら、貴方は私に負けて気絶していたのよ」

私はその場に居なかったため実際は分からないがお嬢様が男に色々説明している。

「俺が負けた?でも確かに俺の剣が避けられてそれから……思い出せねぇ」

「貴方は自分より強い奴に着いて行くって言ってたわよ。貴方は約束も守れない人なのかしら?」

お嬢様に合わせてくれと言われましたけど2人で解決しそうですね。


「分かったお前の仲間になろう。どうせ今は盗賊だ断っても牢にぶち込められるだけだろ」

「わかってくれて助かるわ。それと仲間になるならお前じゃなくて違う呼び方にしなさい」

どうやら解決したようだ、私要らなかったですね。

「う〜ん呼び方かじゃあ姉御って呼ぶことにするよ。俺はガイズって呼んでくれ」

「わかったわガイズ。じゃあ帰ったら2人とも特訓しましょうか。クリムはいつもの練習、ガイズは魔法の練習をしましょう」

そんなこんなでお嬢様との盗賊団の殲滅が終わった。

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