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03 知らない世界

「ここは…?私…死ねなかった?」

私は目を覚まし。家の地下と同じような床を見て死ぬことができなかったと思ったが、床と壁の材質がかなり異なりあの家ではないと思った。

「体が小さい。痛っ」

幼くなっている体に驚くと。全身が思い出したかのようにジンジンするような痛みに襲われた。

「なにボソボソ言ってるか知らねぇけどここでは喋るなって言ってるよな!?」

牢の外から声が聞こえ顔を上げたと同時になにかで殴られた

「お前が予約済みの奴隷じゃなければ処分するはずだったのによ」

奴隷?奴隷って私のこと?

「なんだぁ?昨日までは少し魔法をぶつけただけで泣いてたのに、チッ気持ちわりぃこれだから黒髪の相手だけはしたくなかったってのに」

男はそう言い残し去っていった


魔法?魔法って何?…思い出した。前勉強してたときに見たことある。宗教的な本だったからあまり目を通さなかったけど……。そういえばあの部屋にあった魔法陣みたいなのが書いてあった気もする。

そんなことを考えていると

「おい!出ろ」

先程の男が戻ってきたようだ。私が動こうとしなかったためか、男は私の手を持ち無理やり歩かせた。

「お前を買うやつが来た。酔狂なやつだよなお前みたいな黒髪を買おうとするなんて。まあお前顔はいいからロリコンの性処理相手にでもなるんだろうな」

そんなことを言われながら連れてこられた場所は変な魔法陣がある部屋だった。

「今から奴隷紋を入れる。あんま叫ぶなよ」

叫ぶなってことは痛い?…………嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

「おい!暴れんな!チッ面倒くせぇ。オラァ」

男の蹴りをまともに受けて私は壁に背中を打ち付けた

「大人しくしとけクソが」

痛い。全身が痛い。ここでも私は何もできないんだ。また痛みを味わうくらいなら、……もう抵抗するのをやめよう。

「おい!お前こっち来い」

私は男の言われた通りにする。

「腕出せ、血を抜く」

………………………

「ここまで従順だと少し怖ぇな。まあ楽だからいいけど」

男は手際よく作業を続け印鑑のような物に誰かの血と私の血を混ぜたものに漬けて

「腹出せ。奴隷紋を入れる」

言われた通りお腹を出すと、へその下辺りに印鑑を当てられた瞬間。

「あ”ああああぁぁぁぁぁ」

表現できないほどの激痛に見舞われ、私はその場でうずくまった。痛みが走ったのは、ほんの一瞬のようだったが体感ではもっと長く感じた。

「ッはぁはぁはぁ……」

呼吸も安定していない中、男は私の腕を掴み歩き出した。

呼吸が安定してきた頃、私は頭から水をかけられ、自分で洗うように言われた。体を洗い体を拭き、終わったと男に言うと、男は、「ついてこい」と言い歩き始めた。ある部屋に入って私は話を聞いていた。

どうやら私の引き渡しの話のようなもので、私は今8歳らしい。引き渡しの作業が行われている時、眼の前の知らない男が舐め回すような視線でこちらを見てきた。正直気持ちが悪かったが顔に出す訳にはいかない。服装を見る感じこの男性は中世の貴族のような服を着ていて、そのお腹は今にもはち切れそうになっている。引き渡しが終わったのか私は牢のような馬車に乗せられ、あの貴族の男性はとても豪華な馬車に乗り込んでいた。

馬車に揺られながらどれくらい経ったか分からないが馬車から降ろされた。私は眼の前に広がるのはとてもきれいな庭園ととても大きな屋敷だった。庭園はイタリア式庭園のようで、屋敷は父のものより遥かに大きかった。

使用人らしき人に「ついてこい」と言われたため、私は、後ろを歩いてついていく。

連れてこられた部屋は真ん中に大きなベットがある部屋だった。使用人らしき人から「これを着てベットで待ってろ」と言われ渡されたのは、ベビードールと呼ばれたものだった。私は言われた通りのことを行い、ベットの縁に座り待った。ドアが開くとあの貴族の男性が入ってきた。男性がドアに鍵をかけ、服を脱ぎ始めた、正直わかってはいたが男性の裸を見ると吐きたくなるがここでは我慢するしかない。男が私にすり寄ってくる、とても興奮しているのか呼吸が荒い。「私は抵抗しません。お好きに私をお使いください」

そこから私は…………。


男は加虐趣味なのかよく首を絞めたり、刃物で切ったり、顔やお腹を殴られた。何日経っただろう………。また男がやってきた今日はいつもの刃物ではない。少し禍々しいナイフを持っている。

「今日はこれで目を刺してみるよぉ」

この男を見なければ少しは気持ちは楽になるだろうか?私は早く楽になりたい…………。




私は目が見えなくなったそれでもあの男はいつも私のもとに来る。そのおかげか目が見えなくても大体だが時間帯がわかるようになった。私に時間の概念はないけど。

何年たっただろう?いや……まだ数日かもしれない。ある日外から怒号や金属がぶつかり合うような音が聞こえた。

「………うるさい」

目以外の感覚が鋭くなった私は外から聞こえる小さな音でさえ鮮明に聞こえるようになった。外から聞こえる音の中にあの貴族の声も聞こえる。「やっやめてくれ、金ならある」や「あの黒髪のガキのせいだ」などの声が聞こえる。恐らくあの貴族の不祥事でもバレたのだろう普段の会話からいけないことを行っているのは知っていた。だからといって私には関係はないだろう。あの貴族が死んだところで黒髪の私は殺されるだけだろう。私は関係ないことだと割り切って再び眠りについた。

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