02 足掻き
2000文字すらいけなかった……
「くそっ!あのジジイ舐めた真似しやがって」
父が八つ当たりのように私を蹴る。蹴られた衝撃で胃の中にあるもの出してしまう。
「は?何吐いてんだよこの靴高いんだぞ!あの女が残したガキだからって調子乗んなクソが!」
母は私が生まれて1歳になる前に亡くなった。父は焦ったように5歳になった私に勉強をさせた
私は周りより頭は良かったが父は「足りない…この程度じゃあのプロジェクトが完成できない!」
と叫んでいたどうやら私は父の求める才能はなかったようだ。それでも8歳までは家庭教師をつけてくれた
10歳になった頃、父は養子を迎えていた。どうやらその養子の子は父の求めている人材だったようだ。それから私への対応は変わった。地下の牢のような場所に入れられ父のサンドバックに慣れ果てた。ある日は熱した鉄で肌を焼かれ、ある日は使用人たちの性処理道具として扱われ、ある日は拷問の練習台にさせられ。
いろんなことが5年間続いた。ついに私は処分されるらしい、父に髪の毛を引っ張られ謎の陣が書かれた部屋に放り投げられた。
「お前を今まで残していたのはこのためだ、生贄が必要なかったらお前など10歳の頃に殺していたわ」
私は理解できなかった。いや理解しようとしなかった。私は憎いとも思わなかったが最後の最後もこいつらに利用されるのは嫌だと思い、陣の真ん中に置いてあった刃物を取り父の腹に突き刺した。
運動ができる父が避けなかったのは私が攻撃してくると思わなかったのか、はたまたただの馬鹿力によるものか、多分両方だろう。刃物には即効性の毒が塗られてあったのか父は腹を押えて苦しんでいる。最後まで私を苦しめるためか、早く殺すためか分からないが今はありがたいと思った。
そんなことを考えていると廊下の奥から複数人の足音が聞こえた。考えるより先に足が動いていた何故か陣があった部屋には一つの窓があり開閉はできないようだけどガラスだったため割って外へ逃げた。
2階から飛び降りたため、足も今までの傷も痛いがここはまだ敷地内、気が抜けない。
「たしか近くは森だったはず」
周りを警戒しながら進んでいくが15歳でろくに食べ物を食べてない少女に逃げられるはずもなく、あっさりと捕まってしまった。
「やってくれたな。先程主様がお亡くなりになった。あの方の命令『生贄にして俺の夢をかなえろ』と言われたついてきてもらうぞ」
屈強な男性に捕まった私はもがくが全身の傷により動きを止めてしまう。
「痛い、痛いよぅ」
勝手に涙が出てくる
「なんで私だけこんな目に合わなくちゃいけない!私は何もしていないじゃないか!私も認めてほしかった!褒められたかった!なのに!」
今まで溜めてきた思いが次々と出てくる私を捕らえた男は「チッ」と舌打ちをするだけで特に何も言わずさっきの場所に連れて行った。
結局あがいても無駄だったアイツを殺せたけどアイツの思い道理に進んでいるようだ。アイツ自身の死も思い道理のように感じてきた。もう考えるのをやめよう。
さっきの部屋まで戻ってきた、さっきの惨状も嘘だったかのように血も全てが元通りになっている。
「本当は俺が殺したい所だが、主様が言うには幼い女が自殺することがカギらしい。詳しくは知らんがな」
男が私にナイフを投げた。少し足を掠めて血が出ている。
「それで自分を刺して死ね。10秒以内になこれ以上待つと俺が耐えきれず殺してしまいそうだ。俺を襲おうなんて考えるなよ、お前では俺に勝てん」
私はもう抗う気持ちなんてすでになかった。男がカウントダウンをする前に私は自分の胸にナイフを突き刺した
あぁ私はなんのために生きてたんだろう……。アイツのために勉強したのに…。結局私はいらない子だったんだね。はぁなんかもうつかれたな……。
私はそこで意識を失った。