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詩「祈り」

作者: 有原悠二

消えていく

冬の蚊のような

情けない振り子時計の

右に 左に

光と影のように

振っては振られる

人生の過渡期

そして 春

また 冬

仏壇の前に座って

見たことのないご先祖様の顔を思い浮

 かべながら

さて なにを考えればいいのだろうか

祈り とは

あまりにも遠くて

小学校のときにやらされた

全校生徒の前での演劇

「工夫マン」とかいう名前だけは憶え

 ているのだけど

いったいどんな役だったか

思い出せない空白の電気信号に

わずかにでも 火を灯す

(祈り)

それは 冬

亡くなった祖父の顔が夢にすら出てこ

 ない

それでも

音は聞こえる

右に 左に


右に


左に


時計のガラス戸に降り積もった

埃を払って

去年より増えた 白髪を数えて

それがまた

生きる楽しみでもあって

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