第五十三話「いい彼女を持ったよ」
高校生活か…。充実した3年間だったと言っていいだろう。
俺と壮馬と奏はH大、小林さんと智美はO大に合格を決めていた。学部は違うが秋山もO大らしい。
芽衣は…智美の友人の麻衣と同じ、D大だ。
彼女には幸せになってほしいと強く思う。
そして、友哉と彼女の綾乃は仲睦まじく、同じくD大だ。
永瀬は、関東のC大に、小林さんはM大。少し遠いところに行く友人を思うと、少し寂しい気持ちになる。
そして…、付き合いはめっきり減ってしまったが、拓は専門学校に行くようだ。
唯はO女子大。恵はA短大。
近況報告を共有しあった。
剣太は…、フリーターらしい。
高3でバイトばかりしまくっていたのか、羽振りがいい。
この前もファミレスでみんなおごってもらっていた。
一緒に連れてきていた彼女。
愛莉ちゃんだったけ?
可愛い子で、ちょっと際どい服装だったので、ちょっと目がいってしまったは内緒だ。
親の小遣いしかない身分からすると…、少し羨ましかった。
俺の知っている剣太とは、だいぶずれているようだ…。
俺の怒りの原動。
NTRされた智美を剣太から取り返す…。
彼女ともうまくいってそうだったし…、
もう、叶ったと言っていいだろう。俺はいつからか…、剣太への怒り、絶望が少しづつ薄れて行っているのを感じていた…。
「それにしても…。」
色々あったが…、やり直したこの高校3年間、俺はとても満足していた…。
ピコッ
おっと。智美からの返事だろう。
『おやすみ!』
『うん。おやすみ』
さっきまで、グルチャで会話していたが…
明日の卒業式は、5人の代表が答辞を読む。
なんと、5人のうちに、壮馬と奏と俺が選ばれた。
あの完璧超人2人に並ぶことができたかと思うと、俺の努力も少しは誇ってもいいと、自分で自分を褒めたくなる。
大学に行っても…、よき友人であり続けたい。
さて…、そろそろ、寝るとしますかね…。
●
「紗矢…?この子は…?愛莉は?」
「愛莉は、今日は来れないって。なので、剣太先輩に特別ゲストです。」
「じゃーん。」
紗矢は、芝居がかったように言う。
「優奈ちゃんでーっす。」
「…こんにちわ…。」
女子は恥ずかしそうに剣太を上目で見る。
「…え?優奈ちゃん?どうしてここに…」
剣太は驚く。
「えっと…、愛莉は…」
「大丈夫!愛莉にもOK貰ってるよ!」
「でも、愛莉が気にするといけないから…、愛莉には内緒にしててね?」
紗矢は零れそうな笑顔で剣太に言う。
「えっと…」
「あっ、ごめん。ごめん。えっとね。初めてだし、服を脱ぐところからいこっか。」
ベッドで抱き合う2人。
剣太はもう、準備万端のようだ…。
「あの子って、愛莉ちゃんの友達だったの?」
「うん。愛莉と一緒でおな中だよ。」
「あの子も後輩だったのか。」
「男を変えるのって、マスクとかするだけでいいけど、女子はやっぱり違うタイプの子を引っ張ってこないと…」
「飽きられちゃうでしょ?」
そう言って、壁にしなだれる秋本の首に手を伸ばし、顔を近づける。
「ん。」
秋本は軽くキスをする。
「まあ、いっか。剣太にもそれなりに渡してるし、アイツも喜んでそうだしな…」
剣太は、いつものように激しく求めていた。
相手が愛莉でなくても…。
最初は、少し暗い表情だった優奈もだんだん、空気になじんできたのか
艶めかしい顔を見せる。
カメラが回っていることを忘れたかのように…。
…この先…、摘発されるまで、この街最大の売春組織が生まれたのは、この時だった…。
元締めの2人は、高校生から始めていたことに世間は衝撃を受けるが、それは…、7年後の話。
「せんぱい?」
紗矢が物足りそうに口づけをもう一度強請ると、秋山はそれに応え、深く口づけする…。
秋山は笑みを見せる。
「俺は…、いい彼女を持ったよ。」




