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第五十二話「1年間よろしく」
最後の高校生活が始まる。
前日のクラス発表を見て、俺は心の準備をしていた。
教室に入り…。
席に座る。
「あれ?確か…、奏っちの友達…だよね?」
そこに…
芽衣が居た…。
俺の思い出の中にある。芽衣…。
俺の初めての…彼女だった女性…。
「1年間よろしくね。」
彼女は変わらない、屈託のない笑顔を俺に向ける。
この人を救えないことに…、俺は苦しくもあったが…。
必ずまた同じ運命を辿るとは限らない。
俺が直接関わった人たち以外にも、俺がやり直す前と異なる人生を送っている人は大勢いるのだから。
ふと…、何か、引っかかるような気がしたが…
俺は笑顔で返す。
「ああ、1年間よろしく。」




