第五十話「絶対に…、許さない」
「いいね~、もっと声出してよ。」
「おい。xx、触るのはなしだって言ったろ?」
「悪い、悪い。ついつい。」
…いつからだろう…。
秋山先輩の家で、剣太とするようになった…。…周りに人が居る環境で…。
最初は、秋山先輩とその友達だけだったのが…
どんどん増えて…
男子も女子も…
中には写真を撮ったり、動画を撮ったりもされるようになった…。
剣太に嫌って言っても…、剣太は聞いてくれない。
どうしたら…剣太は私の気持ちが分かってくれるんだろう…。
そのうち、剣太が居ないときに、1人でさせられるようになった。
その様子をたくさんの男子と女子が見ている中で…。
同じ学校の子は来たことがないけど…、こんな姿を見られたらと思うと、毎日が怖い…。
その日は突然やって来た…。
「愛莉?剣太先輩をもっと喜ばせるにはテクニックが不足気味じゃない?」
「私たち、2時間ぐらい空けておくから、ちょっとテクニックの勉強してみたら?」
「いいの?こんな可愛い子?」
「うん。良いよ?」
「2時間だから…、・・・円ね?」
…え…?
お金…貰ってる…?
私は軽いパニックになりながら、
「紗矢ちゃん?ちょっと?」
「大丈夫。社会人の人だから、私たちよりずっと大人だよ?」
「愛莉は頑張り屋さんだから、私、応援したいんだ?」
その日以来…
私は、何人も違う人に…。
1日に複数回や、複数人同時の時も…。
私が一回、紗矢ちゃんに、こんなこと止めたいって伝えた日…
「そう?」
そういって、別れた紗矢ちゃんは笑顔だった。
けど、その夜…、
顔に青い痣を付けた剣太が家に来た…。
私を見る、剣太の目がとても冷たかった…。そうして、私も殴られた…。
そうやって…、また、人の前で、剣太とする日が続いた…。
「勉強家だね?」
紗矢ちゃんが、肩マッサージ機や野菜を持って来たりするようになった…。
嫌だ嫌だ嫌だ…
でも、そのたびに、紗矢ちゃんが笑顔で迫ってくる。
「私、色んな愛莉を知りたいな?私たちずっと友達だよね?」
あの笑顔に逆らうと…学校で一緒に居てもらえなくなるのだろうか…。
今さら、紗矢ちゃんのグループを抜けるなんて…できない…。
暴力を振るわれるようになってから…、暴力を振るった後、
特に剣太が優しくなることに気が付いた…。
どうして、ずっとこうやって優しくしてくれないんだろう…。
ずっと、そうしてくれたら、私は何でもできるのに…。
この前、紗矢ちゃんに相談した。
そうしたら、紗矢ちゃんは何でもないような感じで
大丈夫。手術代は持つから。安心して?
私は何を間違えたんだろう…。
手術の同意書に名前を書きながら思う…。
手術の翌日、その日の昼間、剣太は頭を撫でてくれて、ソファで私を抱きしめてくれた…。
寝顔は変わらず、穏やかな顔。
剣太のほっぺをつつく…。
私はやっぱりこの人から離れられないのかも知れない…。
けど…
もし、他の女子のところに行ったりするようなことがあれば…、裏切られるようなことがあれば…
私は、ボソッと呟いた…。
「絶対に…、許さない。」




