閑話「Side唯2」
モヤモヤする…。
あの日、剣太を見て以来…。
どうにもモヤモヤする。
正義感とかそんなんじゃなくて…。
一緒に過ごしてた友達…ではないかな…、知人くらいかな…。
吐き気がする…。
この前、パチンコ屋から出てくるのも見たし…、キモい…。
奏は関わらない方がいいとは言うけども…。
どうにもモヤる。
そうか…、私は…、アイツを嫌いではあったけども…、それは男子として嫌いだっただけで…。
人として嫌いってわけではなかったけど、今は、人としての嫌悪感が強い。
パチンコ屋から出てきた時には、なんか、一緒に居た男子にお金渡してたみたいだったし…。
その割に、後輩の女子にも手を出しまくってるらしいし…。
壮馬の妹の凛ちゃん曰く、ちゃんと付き合っている風ではあったらしいけど。
前の彼女も今の彼女も、凛ちゃんは余り関りないらしくて、よく知らないらしい。
私は…、やっぱり剣太が嫌いだ…。
心の底から嫌悪する。
…止めよう。
奏の言う通り、関わり合いにならないのが一番かも知れない。
一緒にいた男子もタバコ吸って、ガラが悪い感じだったしね。
とはいえ…、向こうから何かしてきたら、さすがに黙ってはいないかな。
私自身、小学校の時に、無視されたりして嫌な気持ちになったことはある。だから、もしそうなんだったら許せない。
何なのアイツ。まじあり得ない。
自分で言うのもなんだけど、私は余り人を嫌いにならない。
そんな私でも彼は無理だ。
リョータとか壮馬や秋本君はよくあんなのを相手にしてたなって思うよ。
そういや、秋本君は剣太とよくつるんでるらしい。
あの人もよく分からない人だ…。
あの人も後輩女子と付き合ってるらしいし…。
皆、色々ありそうだ…。
でも、あの日、私は見たんだ…。
金髪の剣太っぽいのが…。
女性のバッグをひったくって逃げたのを…。
剣太だったって、断言できなかったから、誰にも言ってないし、警察にも言ってない…。
お姉さんは、足を擦りむいただけで、怪我は大したことないって言ってたけども…。
私はベッドでゴロゴロしながら、それ以上は考えないようにした…。
そういや…、この前会った時に、咲ちゃんは実は剣太が好きだったとか言ってたな…。
咲ちゃん、眼科に行くのをお薦めするよ。
アイツは…、ゴミだよ…。
咲ちゃんにはごめんだけど、絶対に止めなくちゃ!
秋本君に聞いてみようかな…。
私は…、小学生の時に秋本君と付き合っていた。
もっともそれが原因で、女子の仲でハブられたので、私にとってはほろ苦い思い出だ。
今思えば、小学生っぽい付き合いしかしてないけど。
付き合ってから、1週間ぐらいだったか。
急に女子の輪に入れなくなった。
なんでって、問い詰めたら、クラスのボス的位置にいた、葵ちゃんが秋本君を好きだったって話だった。
何それって思ったけど、結局、それに気づいた秋本君が別れようって言ってきて、葵ちゃんにボロクソ言って泣かして、結構な大事になった。
それ以来、ちょっと男子を好きになるのが怖かったけど、今の彼氏は私を大事にしてくれる。
恋愛なんてもう要らないなんて言ってたら、後悔してたかも…。
ん?電話だ。土曜の朝から誰だろう。
朝から、変なこと考えすぎた…。
はいはい、今出ますよっと。




