第四十六話「春からは一緒の高校だね」
春休み終わりの、穏やかな陽が降り注ぐ週末…。
リョータ、壮馬、拓、冬田、そして剣太の五人は、近所のテーマパーク内のバーベキュー施設に来ていた。
剣太は、留年を免れたからか、普段よりもフレンドリーに振る舞っていた。
「リョータ。お前、火つけるのうまいな!」
特にリョータに対しては、以前のような露骨な敵意は見せず、一見すると普通に親しげに話しかけてくる。
「まあな。火遊びは得意なんだ。」
リョータは内心、剣太の変わりように警戒しつつも、表面上は笑顔で返す。
「相変わらずうまいこと言うな、リョータ!お前、もう卒業式の答辞とか書けそうじゃね?」
拓が肉をひっくり返しながら笑う。
「それより、剣太は最近どうしたんだよ。なんかやたらテンション高くね?もしかして、新しい彼女できたとか?」
壮馬は興味深々に言う。
「…さあな。内緒や。」
剣太は、ニヤリと笑う…。
冬田もニヤニヤして
「おいおい、匂わせかよ…。この前、別れて落ち込んでたって聞いてたところなのに、もう次を見つけたんか。」
…男子高校生の恋バナが続く。
午後の日差しが傾き、肉も食べ尽くした頃、5人は解散した。
剣太は、リョータの背中に向かって、手を振った。
「また遊ぼうぜ、リョータ!」
リョータは小さく手を上げ、その場を去った。
その夜、剣太の家。
剣太は…、ベッドに横になっていた。隣には…、新しい彼女が居た。部屋には…、まだ若い二人の熱気が残っている。
「ねぇ、剣太くん。今日は、どうしてたの?」
剣太は、満足感からか穏やかな寝息を立てていたが、女子の声で目を覚ました。
「んあ?同級生とバーベキューに行っていた」
「前に言ってたの今日だったんだね。」と、女子は優しく頷く。
剣太は、女子の体を抱き寄せ…、
「そんなことより」と、強引に彼女の胸を揉みしだく…。
女子は、抵抗する気もなく、少し呆れたような口調で言った。
「剣太く…ん…、もう…あっ…、五回目…だよ?」
剣太は構わず、彼女を求める…。
そして…、剣太は5回目の絶頂を迎え、力尽きたかのように果て、すぐに寝息を立てた…。
女子は…、剣太の寝顔をじっと見つめる…。
「噂では、猿のようにすごいって聞いたけど、本当に猿みたい…」
女子は、くすっと笑う。
彼女の表情には、どこか観察のような視線があった…。
「付き合ったばかりだからか…、余り出かけず、家デートばかりなのは気になるところだけど…。」
「まあ…、紗矢ちゃんからの紹介だし、少し様子をみるかな…。」
「紗矢ちゃんに連絡っと…。」
この女子も…、紗矢が見つけ出し、秋本が剣太に紹介した子だった。
「それにしても…、同級生の男子と仲良くするように言っておくいてだなんて…、変な紗矢ちゃん。」
「まあ、いっか」
剣太の体に抱きつく。
そして…、剣太のほっぺをつつき…、。
彼女は、新しい学校生活への淡い期待を胸に抱いて、小さく呟く。
「春からは一緒の高校だね。」




