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第二十七話「焦燥」

俺は時計が7時を過ぎているのを見て、いつものように学校へと向かった。



遠足で感じた違和感、そして夢で見た智美にフラれた記憶と、剣太の顔。それらが俺の頭の中を渦巻いていた。




学校に着くと、クラスはいつも通りの喧騒に包まれていた。席に着くと、智美が楽しそうに話しかけてくる。



「ねえ、リョータ。今日のお昼、中庭で食べない?」




「うん。いいね。」




本当は、どちらもどうでもよかった。




授業が始まると、俺は何も手につかなかった。ノートに書かれた文字は、まるで別の誰かが書いたかのように、頭の中に入ってこない。



先生の声も、遠くで聞こえる雑音のようにしか感じられなかった。



昼休み、智美と二人で中庭へ向かう。いつものように、他愛のない話をする。






しかし、俺の心は、夢で見た2人の顔に囚われていた…。




「どうしたの、リョータ?なんか、元気ないね。」



智美が心配そうに俺の顔を覗き込む。



「いや、なんでもないよ。ちょっと寝不足でさ。」



俺はそう言って、智美に笑顔を向けた。智美は、少し安心したように微笑んだ。



放課後、俺は智美と別れ、一人で家に帰った。



家に帰り、夕食を終え、ベッドに横になる。今日一日、俺は何も身が入らなかった。すべてが、偽りの日常のように思えた。



なぜ、あの2人が…………………。



俺は、目を閉じ、あの日の記憶をたどった。彼女と…親友を失った…、あの日の記憶。俺の心を深く抉った、あの日の記憶。そして、その記憶に重なるように、剣太の顔が浮かび上がってくる。




剣太……!



俺の心に、怒りと憎しみが燃え上がった。俺がこの人生をやり直しているのは、お前を許すためじゃない。俺の幸せを掴むためだ。




俺は、過去をやり直している。しかし、あの時の2人については結局分からないままだ…。



無理やり仕事に逃げた結果…、大障害を引き起こしてしまい、2人に会うことはなかったからだ…。









許さない。絶対に、お前を許さない。



ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ



俺の中で湧き上がる衝動。自然に歯に、足に、拳に力が入る。




しかし…





そのとき、俺は、ハッと我に返った。



待て……。



俺は、大きく息を吸い込み、自分の心を落ち着かせた。俺が怒りを感じているのは、未来の剣太だ。今の時間軸の剣太とは、まだ何も起きていない。



今の剣太は、まだ、何も知らない。俺がやり直していることも、未来に俺を裏切ることも…。



俺は、自分自身に言い聞かせた。今の剣太に怒りをぶつけても、意味がない。それは、ただ、俺の心を蝕むだけだ。



俺は、ベッドから起き上がり、窓の外を見た。空は、もう真っ暗だ。



冷静になれ、リョータ。お前は、未来を知っている。だからこそ、今、何をすべきか、考えるんだ。



俺は、そう自分に言い聞かせた。そして、俺は、この人生をやり直す目的を、改めて思い出した。



それは、智美と幸せになること。



そのためには、まず、この不気味な違和感の正体を突き止めないと…………。



俺は、そう決意し、再びベッドに横になった。心はまだ、少しざわついている。しかし、俺は、明日から、もう一度、前を向いて歩き始めることを決めた。

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