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第二十六話「夢現」

遠足の帰り道、智美が誰かと楽しそうに話していた。近寄ると、慌てたように会話を切り上げられた。


俺の心は少しわついていたが、この違和感が一体何なのか俺には分かる由もなかった…。


そして……………………………………














俺は、薄暗い部屋に立っていた。目の前には、ソファで乱れる智美と…。




「智美……?」




俺がそう呟くと、ベッドから振り返る智美と…。



「リョータ…………。な…んでっ……。」




その言葉を聞いた瞬間、俺の心臓は締め付けられるように痛んだ。俺が最も恐れていた、あの瞬間の記憶だ。




「何だ、聞いてた時間よりも大分早いじゃないか。」



ふてぶてしい声がする。





コイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツコイツはっ!!!!!!







動悸が激しくなる。



足が震える。膝が抜けそうになる。



まるで鈍器で殴られたような頭の痛み…。脳が…焼ききれそうな痛み…。



俺は…、全身の血の気が引いていくのを感じた。




世界が回る。俺を中心に天井も床もぐるぐると…。




「……何やって…?」




「見りゃ分かんだろ。」




智美をそう言って抱き寄せる…









親友だと思っていた男…。







ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ





俺は、後ろへと一歩、また一歩と遠ざかっていく。俺は、声も発することできず、ただ、2人をを見つめることしかできなかった。




「なんで……?」




俺がそう呟くと、智美は立ち上がり、何かを言おうとしたが…







俺は、激しい頭痛と吐き気に追われ、そのまま駐車場に走り出し…。





気が付くと家に戻っていた…。




そして部屋に入ると…



一面の…



        炎が……………………………










「うわっ!」


俺は、飛び起きるようにベッドから起き上がった。額には、冷や汗がにじんでいる。


「はぁ……はぁ……。」


俺は、大きく息を吐き出し、自分の胸に手を当てた。心臓が、激しく脈打っている。




あの時の夢……か………………。



俺は、悪夢にうなされていたことに気づいた。しかし、それは単なる夢ではない。俺がこの人生をやり直す前の…、あの忌まわしい記憶だ。






俺は、ベッドから降り、窓の外を見た。空は、まだ少し薄暗い。



ふと、机の上の時計に目をやると、針は七時を過ぎていた。



「もうこんな時間か。」



俺は、夢の中で起きた出来事を、頭の片隅に追いやる。だが、心の中に生まれた、拭い去れない不安が、俺の足を重くした。



「……さあ、学校に行くか。」



俺はそう呟き、制服に袖を通した。そのとき、机の上に置いていたスマホの、遠足の時に撮った智美とのツーショット写真が目に入った。



俺はスマホに手を伸ばし、写真を目を凝らして見る。だが、やはりそこには何も書かれていない。



やっぱり……気のせいだったのか………………?。




俺は安堵の息を漏らし、スマホをポケットにしまった。



その瞬間、ポケットに入れていたスマホが、ブルッと震えた。



俺はスマホを取り出し、画面を見る。そこには、一通のメッセージが表示されていた。







             【おはよう♡】





いつもと変わらない…、智美からのメッセージだった…。

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