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閑話「Side??」

…、どうして。どうして君はそんな目で自分を見る…。


君に出会えたことは奇跡。自分はそう思っているというのに。




そういえば、奏と勇人が和解したらしい。


信じられない…、なんて偽善者。


じゃあ…自分は?


自分もそんな目で見られないようになるのか?


聞くのが怖い。


ベッドに籠って震えていたら、もうすぐ朝になる。


せっかくの土曜日なのに、何も手につかない。


君が君の道を歩くのは自由。


でも、勝手は許さない。


自分は、最も劇的で最も救いのない状況で言ってやりたい。


そのためだったら、自分は何だってしてみせる。


どんなことだって、何だって耐えてみせる。


それが人として耐えがたい苦痛を伴うものだとしても…。


これは、絶望を底を歩き続けた先に出会えた一本の蜘蛛の糸。


偶然手繰り寄せた希望の糸。


自分と同じように、絶望に底に落としてあげたい。


分かるか。自分がそれを知った時、どれだけ絶望的になったのかを!


ある日突然ドン底に落とされた人間の気持ちが!


アナタの幸せは、本来誰の幸せだったのかを考えたことはあるのか!


何故、アナタはそれを知らずに居れるのか!


何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故。


ああ、早く…早く、絶望の深い深い底に落としてやりたい。


アナタが幸せになればなるほど、喜びを味わうほどに、そこから転落して底に落ちるさまは、他の何をもってしても味わうことができない最上のもの。


ああ、とてもとても待ち遠しい。


だから、自分はアナタの幸せを望む。いずれ来たる地獄の時のために。地獄で絶望するアナタのために。


そして、地獄の後に訪れる自分の至福の時のために。


…ああ、頭が割れるように痛い。またこの痛み…。


薬はどこだったかな…。





自分は絶対に許さない。


邪魔をする者を。


そして…。


絶対に、奪われたモノを取り返す…。絶対に。絶対に…。


アハハ!


アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!



…薬によって訪れた睡魔によって、薄れていく意識。




自分は、眠りの海に意識を沈ませた…。

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