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大塚くんはダマされない!  作者: 相川エイタ
7/10

大塚くんとカラオケその2

「次は大塚くん歌ってよ!」

「私も海都くんの歌声聴きたいなぁ」


 堀と白石にデンモクとマイクを渡される。


 俺はどちらかと言えば、歌は得意な方だ。

 一人カラオケと言う高尚な遊びを嗜む程である。

 デンモクでえいみょんと検索し、メリーゴールドを選ぶ。

 原曲からキーを3つ下げる。

 完璧だ。


 ーー吉日

  Sing Gnuーー


 どうやら上田が先に歌うみたいだ。


「飲み物入れてくる」


 一応一言、堀に伝える。


「私も一緒に行く」


 白石が立ち上がる。


「ついでに入れてくるぞ」

「一緒に行く!」


 2人で部屋を出ようとする。

 神崎が笑顔でこちらを見ている。

 シンプルに怖い!

 橘がお花を摘みに行ってくれていてよかった。

「私も一緒に行く!」何て言い出されたら、神崎もついてくるに決まっている。



 ドリンクバーは部屋から少し離れたところにあった。

 もう1杯メロンソーダ飲むか……。


「ふーん……。メロンソーダ好きなんだ」

「まぁ、嫌いじゃない」


 後ろから白石がシャツを引っ張ってくる。

 あんまりしつこいので振り返る。

 するとネクタイを掴まれて、顔を引き寄せられキスをされる。


 ーーカシャッーー


「ふふ。ごめんね、手が滑ったみたい」


 ネクタイを引っ張り、顔を寄せてキスをする。

 滑るどころの騒ぎではない。

 百歩譲って、起きてしまったことは仕方ない。

 カメラの音がした。

 まさかキスシーンを激写なんてしてないよな?


「良く撮れてるね」


 スマホの画面をこちらに見せて微笑む白石。


「白石、もちろん消すよなそれ」

「白石……?もうキスをした仲じゃない。未玖って呼んで欲しいなぁ」

「わかった。未玖、消してくれ」

「これからは名前で呼んでね!でもこれは消さない」


 白石の意図が読めない。

 何が目的だ?


「さっき、神崎さんとも橘さんとも付き合わないって言ってたけど、本当のこと教えて」

「だから、付き合わない」

「嘘ね。あんなに可愛い子達に好きだと言われて、その気にならないなんてありえない!」

「いやまじで……」

「じゃあ、この写真を2人に見せるわよ?」

「いいぞ」

「……。本当にいいの?」

「ご自由に」


「安心したわ。てっきり2人のどちらかと付き合うのかと思ってたの……実は、私……」


 ん?何だこの空気。


「あなたと……」


 忌まわしき中2の記憶が脳裏をよぎる。


「あなたと堀くんにくっついて欲しいの!!」


 ん?

 聞き間違いか?


「俺と堀にくっついて欲しい?」

「そう。大塚×堀よ」

「は?」

「イケメンはイケメンと結ばれるべきなのよ!」


 白石はあれらしい……腐女子らしい。


 昨今の腐女子は大胆だな。

 自分の望むカップリングになるようにキスまでするのか。

 結果として、俺のファーストキスが奪われたが。


「俺は男と付き合うつもりはない」

「そんなぁ……」



 部屋に戻ると何故か笑顔の神崎と橘がこちらに手招きをしている。


「遅かったけど何かあったの?メリーゴールド、上田くん歌っちゃったよ」


 急に真顔になる神崎。

 普通に怖いよ!


「迷ったんだよね?」


 変わらず笑顔の橘。


「二人だけの秘密。ね、海都くん」


 いや、お前だけの秘密だろ!

 カミングアウトしたのお前だけだ白石!




 この後、白石と橘が用事があるらしく3時間を予定していたカラオケを2時間で切り上げる。

 明日も学校だから、残りのメンバーも帰ることに。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 私は卑怯だ。

 別に私はBLを好きじゃない。

 彼に近づき、彼を騙す為の口実だ。


 私は容姿が優れているらしい。

 私の意思とは関係なく、男性の気を引いてしまう。

 男性の好意が容姿を前提にあるとしか感じられなかった。

 でも大塚海都くんは違った。

 彼と私が出逢ったのは、中3の夏。

 とても暑い夏の日だった。

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