エピソード3 ~宇宙で一番明るくて暗い光③~
ダークマター=何でもできる凄いもの、と思っていただけると幸いです。
「ソー……ラ……?」
チコタン、驚きすぎて口があきっぱなしになってるよ。
でもまあ、ビックリしちゃうよね。
私だってビックリしてるもん。
「何これ?」
目の前が明るくて暗い、なのに光って輝いてる。
矛盾してるけど、そうとしか表現できないよ。
ゴミクズにムカつきすぎて思わず叫んでしまった。そう思ったらいつの間にか、目の前が真っ暗に光り輝いてた。
「ダークマター……? ソーラの元にダークマターが集まっています……」
ダークマター?
この光がダークマターなの?
確かにもの凄く強い力を感じる。見ているだけで体中がビリビリする。
けど全然怖い感じはしない、むしろ凄く安心する光……
「馬鹿な! 何故ダークマターが扱える? それも、目に見えるほどの強力なダークマターだと!?」
ゴミクズが何か言ってるね。
どうしてダークマターが扱えるのかって、そんなの私も知らないけど。普通に考えたら答えは一つじゃないの?
「私が特異点だからじゃない?」
「特異点だと!? 特異点はこちらが抑えているだろう! まさか、特異点の精神が宿っている影響なのか?」
さあ? そんなこと私も知らないって。
「くっ、お前達、即刻制圧しろ!」
「「「はっ」」」
うわっ、いきなり撃ってきた!?
しかも一斉射撃って、普通いきなり撃つ? コイツらの方がよっぽど暴力的で原始的じゃん。
ベタに光線とか撃ってきてるし、絶対当たったらマズやつでしょ。
「ま、だから何? って感じなんだけどね」
分かる。
どうすればいいのか、考えなくても分かる。
あの程度の光線、ダークマターが全部防いでくれる。
この光の一つ一つが、私に教えてくれる。私に味方してくれてる。
「全て防いだ!? そんな馬鹿な!」
「光線が消えました。ソーラ、凄いです!」
これがダークマターか。なるほどね、確かに凄い。
今なら何もかも思い通りにできそう。
宇宙最強って言われたのも納得できるし、私の体を欲しがったのも分からなくはない。
だからって許すつもりは全くないけどね。
「くそっ、精神が読めない。これも特異点としての力なのか!?」
へえ、私の心を読んでたのもダークマターの力だったんだ。
ゴミクズも少しだけダークマターを扱えるんだね。
うん、考えなくても全部頭の中に流れ込んでくる。
ふふっ、焦ってる焦ってる。ゴミクズの考えが手に取るように分かる。
ホントに無敵の力だ。
「精神が宿っただけで何故これ程の力が!? 理解できぬ、あり得ない!!」
「あら、宇宙人なのにずいぶん低脳で遅れてるね。ゴミクズに理解してほしいとは思わないけど」
「何だとっ、貴様!」
よし、ダークマターの使いも分かった。っていうか、ダークマターが勝手に教えてくれた。
変態ゴミクズの相手はもうしたくないし、そろそろやっちゃおうかな?
「じゃあさっさと終わらせよっか?」
「終わらせるだと? 貴様何を言っている?」
「愚問だね。ダークマターの使い方も覚えたから、反撃ついでに使ってみようかと思って。そうだ、ゴミクズには実験動物になってもらおうかな?」
「じっ、実験動物!? 貴様許さんぞ!!」
「ソーラ、カッコいい……!」
ありがとうチコタン、すっごくやる気でた!
よし、集まれダークマター!
もっと集まれ!
「ダークマターの密度が増している? 貴様一体何をする気だ!?」
もっともっと!
全部まとめて私のところに集まれ!!
「ソーラ、やりすぎです。このままだと船が耐えられません」
「大丈夫、しっかり私につかまってて!」
安心してチコタン、ちゃんと私が守るから。
それと、ゴミクズもその他エイリアンも、まとめて吹き飛ばしてやるから。
いくぞ! ゴミクズども!!
「そおりゃあぁっ!!」
輝け! ダークマター!!
次回、決着!?