エピソード136 ~脱出!③~
ついにダークマターの牢獄から脱出! これで私とガオシェンは自由だ!
「ガオォォーッ! 助かったぞグーパーよ!」
「礼には及びません、私とガオシェン様の仲ですからね。ジャスティスソーラも無事でよかったです」
へぇ、この人がグーパーさん?
これはちょっと予想外だったかも。ガオシェンの親友っていうからゴツゴツしたオッサン宇宙人を想像していたけれど、実際に会ってみるとスマートなおじ様っていう感じだ。
黄色のスーツがよく似合う、犬耳ジェントルマン宇宙人だね。
「はじめまして、えっと……グーパーさんって呼べばいいかな?」
「はじめましてジャスティスソーラ、コロシアムの実況担当グーパーと申します。私のことはお気軽にグーパーとお呼び捨てください」
「ああっ、実況の人!」
どうりで聞き覚えのある名前だと思った、コロシアムで私達の戦いを盛り上げてくれた人だったんだね……っていうか雰囲気変わりすぎでしょ! 実況の時は超ハイテンションで叫びまくってたじゃない!
「さてジャスティスソーラよ、悠長に話し込んでいる場合ではないぞ」
「おっとそうだった、ワンナビーをやっつけなくちゃね」
「ミィシャンの安否も気になるところだな……グーパーよ、状況を教えてくれ」
「ワンナビーの起こしたクーデターによって、惑星バルナガンは完全に制圧されてしまいました。ミィシャンと私も捕まってしまい、ヴェーゼ本部の地下牢に囚われていました」
「ぬうぅ……吾輩のミィシャンを地下牢に閉じ込めるとは……」
ちょっとちょっと、“吾輩のミィシャン”じゃなくて“私のミィシャン”だよ。ミィシャンは私のお嫁さんなんだから。
「ご安心ください、ミィシャンは無事に脱出していますよ。今ごろはアイアンミィとしてヴェーゼと戦ってくれているはずです」
「「アイアンミィ?」」
「スーパースターファンクラブとジャスティスソーラの仲間達も、本部内へ侵入していますね。アイアンミィと協力してワンナビーと戦っているようです」
ちょっと待って、アイアンミィとかスーパースターファンクラブとか、知らない単語が次々と出てくる。まったく話についていけない……。
「えっとつまり……たくさんの人達が戦ってくれてるってことだよね? だったら早く助けにいかなくちゃ!」
「待つのだジャスティスソーラよ」
「でもガオシェン、戦ってくれてる人達を放ってはおけないよ!」
「気持ちは分かるぞ、しかし闇雲に動いても状況は好転しない」
「それは……そうかもしれないけど……」
グーパーは「ジャスティスソーラの仲間達も本部内へ侵入している」って言ってた。きっとチコタンとエルリンのことだ。
チコタン、ミィシャン、エルリン、三人とも戦ってくれてるのに、私だけじっとしてられないよ。
「勘違いするな、怒りに燃えているのは吾輩も同じである……!」
「ガオシェン……」
「だからこそ! ワンナビーの企みを完膚なきまでに叩き潰さねば気が収まらんだろう!」
「叩き潰すって、一体どうするつもりなの?」
「ガハハハハッ! 吾輩に任せておくのだ、とっておきの作戦があるぞ!」




