エピソード1 ~アブダクション日和~
第二部まで開いていただき、本当にありがとうございます!
続きを読んでくださって、とても嬉しいです!!
今話はプロローグから少し前の出来事です。
まだプロローグを読んでいな方は、プロローグも読んでいただけると幸いです(1~2分で読めちゃいますよ⭐)。
「明峰さん、また明日」
「うん、また明日!」
日の暮れた午後八時。
部活終わり、友達と別れて家に帰る私。
家までの近道である裏路地に、ローファーの音がコツコツと響いている。人気のない通路は少し薄暗くて不気味だけど、涼やかな夜風が気持ちいい。
家に着いたらゆっくりお風呂に入って、そのあとはバラエティ鑑賞といこうかな!
いやいや、その前に宿題を終わらせちゃうべきかも?
うん、先にさっさと宿題を終わらせて、あとはもうソファーにゴロンで心置きなくダラけるのがベスト!
よしっ、そこの角を曲がればもう家だし、着いたらソッコーで宿題を片付けよっと。
あれ?
角のところに誰かいる?
珍しい、普段こんな時間に人はいないのに。
「待っていたぞ」
……めちゃくちゃ怪しい。
どうして真夏なのにコートなんて着てるのよ? 顔もマスクとサングラスでガッチガチに隠してるし。
まさか芸能人とかじゃないよね? いやそれは無いか、あの超絶的にダサい帽子で芸能人は無いよね。
うん、どこをどう見てもザ・不審者です。
「アケミネ・ソーラ、で間違いないな?」
はい? 確かに私は明峰空ですけど、何でこの人は私の名前を知ってるんでしょうかね?
え? 何? もしかして私、この人に付きまとわれてたりした?
そういえばさっきも「待っていたぞ」って言ってたし。つまりこの人、私のストーカーってこと?
うわっ、シンプルに気色が悪い。
「ふむ、アケミネ・ソーラで間違いないようだな。しかし先ほどから、ストーカーだの気色悪いだのと、失礼な娘だな」
げぇ! 何でバレてるのよ!
もしかして私、口に出しちゃってた? 無意識に喋っちゃってた?
「ほう、やはりまだダークマターへの覚醒はしていないのか。宇宙最強の特異点とはいえ、今はただの小娘ということだな」
なに? 宇宙最強の得意な……何て言ったの? ヤバい、この人言ってることが完全に意味不明だ。
とりあえず分かったことが一つだけ、関わっちゃダメなタイプの人だということは確定。
というか、夜中に女子高生に話しかけてくるって、結構なヤバめ不審者でしょ。
よし、警察を呼ぼう。
「警察? ふむ、騒ぎになるのは少し面倒だな……」
げげぇ! だから何でバレてるのよ!
私また口に出しちゃってたの? いや、今回は絶対喋ってないし!
この人、私の心を読んでるの? メンタリスト的な?
よく分かんないけど、それならそれで、こっちも強硬手段にでちゃうから。
「お巡りさーん! 不審者です! 変態が出ました! 助けてポリスメーン!!」
「なっ、変態だと!?」
「ダサキモ変態ストーカー不審者ですー! 誰か助けてくださいー!!」
「貴様!」
よし、あとはご近所さんが通報してくれると信じよう。私は全力ダッシュでエスケープあるのみ!
「手荒な真似はしたくなかったが、致し方ない」
私だって部活で鍛えてるんだから、あんな変態には捕まらないし。
ん? 変態の指が光って……る……?
「やはりまだダークマターへの耐性も持っておらぬか、手間取らずに済みそうだ」
あれ……?
なんか……意識が……。
「さて、そろそろ十分か?」
ヤバ……足がフラフラする……。
息が……苦しい……体が……しびれる……。
私……どうなっちゃ……う……の……?
「では共に来てもらおう。特異点の娘、アケミネ・ソーラよ」
第二部も最後まで読んでいただきありがとうございました!
楽しんでもらえましたら嬉しいです 次話もどうぞよろしくお願いします。




