エピソード113 ~キンボシとギンボシを救え!③~
よーし! ガバッと一発、決めちゃうんだから!!
「ところでソーラ? 具体的にはどうするつもりですの?」
「えっとねー……エルリンの住んでいた惑星フローンで、住民達を救った方法があるでしょ? あれを超大規模でやる感じかな!」
「ワタクシの星で……周囲のダークマターと繋がる方法ですの?」
「そうそう! ダークマターと繋がることで、意識を広げていくやつだよ!」
「なるほどですの……つまりソーラは自分の意識を、第五ウェーブの全域まで広げようとしているわけですわね?」
「そうだよ! 第五ウェーブの端っこまで意識を広げちゃえば、絶対にキンボシちゃんとギンボシちゃんの両親を見つけ出せるでしょ?」
「まあ……間違ってはいませんわね……」
「はい……間違ってはいませんけれど……」
「普通はそんなこと思いつかないニャ……」
うーん……なんだか呆れられている気がする……。まあいいや、それより早くキンボシちゃんとギンボシちゃんの両親を見つけ出さなくちゃね!
まずは軽くダークマターと繋がるところからはじめよう。最初はゆっくり……準備運動のつもりで……。
「むニャニャ? なんだかホワホワするナー」
「優しくて温かい、心地いいダークマターの波ですね」
よしよし、いい感じにダークマターと繋がってる感覚だ。それじゃあ準備運動は終わりにして、ここからは本気でいくよ。溜まりに溜まったダークマターを全部解放して、一気に意識を広げちゃうんだから。
すぅ……はぁ……いくよダークマター!
「ふニャニャ!? なんだかビリビリするナ!」
「体の芯までビリビリ響く、強力なダークマターの波です!」
広がる……ダークマターを通じて、どんどん意識が広がっていく……。
あれはチコタンの故郷の星、惑星ハロルだね……。あっちはギンボシちゃんと出会った星、ワタアメ星だ……。
「うぅ……そろそろ第五ウェーブの端まで届きそう……」
「「早い! ソーラお姉ちゃん凄い!」」
ふぅ……流石にダークマターを使いすぎたかも、ちょっとだけフラッとしちゃったよ。
でもここまできたら、あとはキンボシちゃんとギンボシちゃんの両親を探すだけ! このまま一気に見つけちゃお……う……?
「……うん?」
「「ソーラお姉ちゃん? どうしたの?」」
「なんだろう……下の方から嫌な気配を感じる……」
「下ですか? 下は……暗くて何も見えませんね」
「そもそもここはどこなのかニャ? 縦長のトンネルかニャ?」
「トンネルとは思えない大きさと深さですわよね、下は一体どうなっていますの?」
「違うよお姉ちゃん達、ここはトンネルじゃなくてダクトの中なんだよ」
「このダクトは惑星フアウラの中心部分まで伸びているの、地核からエネルギーを吸いあげているの」
惑星フアウラの中心部分……そこから感じる嫌な気配……。
この嫌な気配は覚えがある……もしかして……!
「キンボシちゃん、ギンボシちゃん! 二人の両親を見つけたかも!」




