88.ズバッと言ってください。
アーチザン王国を出る前に教会に向かった。
「やぁ、ようこそ」
「次の国へ行く前に寄らせてもらいました」
「ありがとう。 今日は何にする?」
「ホットコーヒー頂けますか?」
「どうぞ」
その一言で香ばしく良い香りのコーヒーが目の前に現れた。砂糖とミルクも出てきたが、何も入れずそのまま飲んだ。朝飲むコーヒーは最高に美味しい。
「髪色と瞳の色は違う色は試してみないの?」
「んー…今のところこのままでいようかなって思ってるんですけど、変ですか?」
髪の毛を一束掴み、憧れのブロンドを見た。少し白っぽいブロンドはまさに私の憧れそのものだ。やりたい色があって美容室に行ってもここまで自分の理想通りにしてもらうことって難しい。ロザンナの付与魔法は凄いと思う。
「似合ってるよ。 だけどその色はこの世界では結構目立つかな」
「……やっぱり、そうですか?」
この世界では茶髪や赤毛がすごく多い気がする。ベージュ系の髪色の人もいるけど、私の今の髪色とは全然違う。
「この世界でも貴族や王族くらいかな。 たまに平民にもいるけど、あまりいる髪色と瞳の色ではないからもしかしたら目立ってよからぬ輩に狙われてしまったり、トラブルに巻き込まれる可能性も__」
「わかりました! オクタヴィアンさんが何を仰りたいかよーくわかりました!」
簡単に言えば髪と瞳の色変えてってことよね。ズバッと言ってくれればいいのに、私の気持ちを考えて言ったら傷つくかもしれないとか考えてるのかな?と思ったら少し笑ってしまった。
私は目を瞑ってなりたい髪色と瞳の色を真剣に考え、想像した。目を開けると微笑むオクタヴィアンさんと目が合った。
「すごく素敵だよ」
「ありがとうございます」
想像したのはベージュ強めのピンクベージュの髪色と、茶色の瞳。後で鏡でどんな風になったか確認しないと。
「あの、寿命のことで気になったことがあるんですけど、結婚したら同じ寿命を生きるって言ってたと思うんですけど、どちらかが先に亡くなるってこともあるんですか?」
ロザンナのお母さんが亡くなったと聞いて、この世界の寿命がどういう感じなのか分からなくなった。夫婦は血の契約で結ばれるから、死を迎える時は一緒だって聞いていたはずなのに、ロザンナのお母さんは数年前に亡くなったと聞いた。でもドルフさんは元気に生活していたし……。




