84.自慢です。
ロザンナの体から光があふれ、その光は洞窟内に一気に広がった。目が開けていられないくらい眩しくてギュッと目を瞑った。ロザンナの体に回した腕を離すまいと、力を込めた。
「ロザンナ! ミオ!」
目を開けると頬に小さいけど硬くしっかりとした手が触れていた。すぐそばでアビーさんの目と視線がぶつかった。
「ロザンナは!?」
すぐ隣に目を向けるとロザンナと目が合った。その瞬間涙があふれた。友達を失わずに済んだんだ。ロザンナを抱きしめると、アビーさんは私たちを抱きしめてくれた。
「お姉ちゃん……ミオ……ありがとう」
ロザンナが泣きながらそう言うもんだから、私もアビーさんも涙が止まらなくなってしまった。涙を流して鼻水をズルズル啜る音が洞窟内に響く。その音を聞いて今度は三人で笑ってしまった。
”「僕もいるよ!!」”
そうだった。
「ロザンナ、ロイも来てくれてるよ」
「ロイもありがとう」
そう言ってロザンナはロイのふわふわの体を抱き上げ、顔を埋めた。ロザンナに抱かれたロイの背中をそっと撫でた。顔を上げたロザンナはアビーさんと視線を合わせた。
「お姉ちゃん、ごめん、ね……」
「何も謝ることなんてないだろ!」
瞳にたくさんためた涙を零したロザンナはまた口を開いた。
「お姉ちゃんの気持ちも知らないで私……たくさん酷い態度とっちゃった……本当にごめっ…なさい……」
「知らなくて当たり前だろ! あたしが話さなかったんだから! あたしがロザンナに知られたくなかったんだよ……」
「え?」
「どんな時も自慢の姉でいたかったんだ。 だから情けないところは知られたくなかったんだよ……あたしの方こそロザンナの気持ちに寄り添ってやれなくてごめん。 姉ちゃんなのにさ……」
「何言ってんの! どんなお姉ちゃんも自慢のお姉ちゃんだよ!」
突進するかの勢いでロザンナはアビーさんに抱き着いた。アビーさんも負けじと力強く抱きしめる。そんな二人を見ていたらまた涙があふれてきた。この涙が辛い涙にならなくてよかった。幸せで、安堵の涙になってよかった。
そばにきた凪に寄り添うように体を預けた。
「凪、守ってくれてありがとう。 戦ってくれてありがとう。 そばにいてくれてありがとう」
”「よく頑張ったな」”
凪はイケメンで男らしくて頼もしいから普段は理想の彼氏像だけど、こういう時はこういうお父さんがいたらよかったなと思うようなとてつもない安心感をくれる。いなくなるなんて考えられない、いることが当たり前の家族のような存在。
膝の上で静かに姉妹を見守るロイを撫でながら、私は凪の体に身を預け涙を流しながらも溢れんばかりの笑顔を零して話をする二人を見守った。気づけば私の口角も上がっていた。




