83.大切な妹です。
”「早く浄化をしないと飲み込まれるぞ!」”
”「飲み込まれるって何に!?」”
”「瘴気に、だ」”
浄化したいけど、瘴気が濃すぎて近づけない。こんなことは初めてでどうしていいか分からない。武器に神聖力をまとえば届くかもしれない。でも私の弓の腕はまだ実戦で使えるような腕前じゃない。届いたとしてももしロザンナの急所に当たってしまったら?浄化できたとしてもそれじゃ何の意味がない。一人の犠牲で浄化ができるならと言う人もいるかもしれない。けど私はそんなふうには割り切れない。
「ロザンナ!!! どうしちゃったの!? 姉ちゃんだよ!!! ミオ! 離して!!!」
「駄目です!! ロザンナは瘴気に侵されてるんです!!! むやみに近づいたらアビーさんが危ないんです!!」
「でも! あんなに苦しそうにしてるのにただ突っ立って見てるなんてっ__行かせてくれよ!!!!」
アビーさんの腕を必死につかんだ。アビーさんが傷つけばロザンナが正気に戻った時きっと悲しむ。でもどうしたら!?凪が魔獣と戦ってくれてるけど次から次に魔獣は現れて、このままだと凪がもたない。私もアビーさんもロイもまともに戦えない。凪の負担が大きすぎる。
あれ?今……。
「アビーさん!! ロザンナに本当の気持ちを伝えてあげてください!!」
「本当の気持ち?」
「どうして武器を作るたび怒るんですか? どうして採掘に行くことを嫌がるんですか!?」
アビーさんがロザンナに向かって声を掛けたら瘴気の靄が一瞬薄くなることに気が付いた。ロザンナも瘴気に飲み込まれてしまわないように戦ってるのかもしれない。
「ロザンナ!! あたしがあんたに武器を作ってほしくないのはね!! あたしと同じ苦しみを味わってほしくないからだよ!! 父さんと比べられて何度泣いたか! 何度投げ出そうと思ったか! 何度心が折れそうになったか!!! それでも武器作りをやめなかったのはロザンナッ_あんたがいたからさ!!!!」
アビーさんは涙を流しながら必死に叫び想いを込めた。私まで涙が止まらない。
「いつだってっ、ロザンナはあたしの応援をしてくれた! 失敗して落ち込んでたってあんたの笑顔見たら元気になれた!! いつも武器が出来上がるのを楽しみにしてくれてッッ_もっと喜んでほしくて、もっと頑張ろうって思えた!! だから母さんみたいにいなくなったらって思うと怖くて森に行ってほしくなかったんだ!! ロザンナ!! あんたはあたしの大切な妹だ!!!! 姉ちゃんと一緒に帰ろう!!!!」
ロザンナの体にまとわりついていた瘴気が薄くなった。
「…ぉ…ね、ちゃ……」
今だ__!
私は走ってロザンナのところに向かった。魔獣が襲い掛かってこようとよそ見はしない。凪を信じてるから。だから私はロザンナだけを見て走った。そのままの勢いでギュッとロザンナに抱き着いた。
ロザンナ!!
「みんなで一緒に帰ろう!!」




