64.タレが最高です。
教会を後にしてすぐに向かったのは冒険者ギルド。この国の冒険者ギルドも賑わっている。でも依頼に関する話よりもどの鍛冶屋で武器を買うかとか、どんな武器を買うかとか武器に関する話をしている人が多い気がする。
「魔獣の引き取りはあちらの部屋で行ってます」
「分かりました。 ありがとうございます」
魔石を売ったので、今度は凪が倒した魔獣を売るため移動した。廊下奥の部屋に入ると思っていたよりも広い空間になっていた。大きなテーブルがいくつか並べられ、手際よく解体作業が進められていた。
「これはまた……大量だな」
案内されたテーブルの上に魔獣を出すと驚いた顔をされた。
うん、そうだよね。私も多すぎると思う。バッグの中に入れておけば時間は進まないから腐ることはないんだけど、いつまでもバッグに入れておくのは気持ち的にちょっと嫌だった。
「多くてすみません。 全部お願いできますか?」
「もちろんだ。 量が多いから3日後に来てくれ。 素材は全部買取でいいのか?」
「あ! お肉だけ少し残しておいてもらいたいです」
「肉は少し別にしておくよ」
「はい、よろしくお願いします」
作ったポーションも売りたかったけど、その前に腹ごしらえしようという話しになって、屋台で適当に食べ物を買って芝生が広がる公園の隅っこに座った。
「ん! これ美味しい!」
パンに挟まったチキンにかかったタレが凄く好みだった。甘辛で少し大人な味。凪はパンなしで同じタレがかかったチキンを食べている。お皿に置いたチキンを止まることなく食べているから美味しかったんだろう。
「お水も置いておくね」
「あぁ、ありがとう」
隅の方にいるとはいえ、外にいて人目もあるので小声で会話をする。念話で話せばいいんだろうけど、やっぱり普通に会話する方が楽しい。頭で会話していると独り言が酷くなったような気がするし、頭の中に響く声にも未だに慣れない。
公園には小さな子供を連れてピクニックをしている家族や恋人同士、友達同士などなど、いろんなひとがいる。こういう景色は日本もこの世界も変わらない。違うところと言えばこの世界は人間だけじゃなくていろんな種族がいるところ。人間も獣人もドワーフも、人種は関係なく平和な光景が広がっている。人間に見えるだけでもしかしたら人間じゃないかもしれないけど。
「弓矢以外にも武器持ってた方がいいよね?」
「長い剣を振るうのは相当な鍛錬が必要になるから短剣がいいだろう。 身に余るものを持っていても邪魔になるだけだ」
そりゃそうだ。長い剣なんて重くてきっと腰に下げるのも嫌になる。とろとろ抜いてる間に相手に攻撃されそう。




