57.凄い鉱石らしいです。
無事に回収が終わり、恐る恐る洞窟のさらに奥に足を進めた。そんな私を見ながら凪が呆れた顔をしていたような……気がする。閉鎖的な空間で明かりがないとよく見えないくらい暗い場所。今は聖女で魔法も使えるとはいえ、根はただの日本人だよ?普通に怖いでしょ。と心の中で開き直ったことは凪には内緒。
洞窟の突き当りまでやってくると、水が落ちるような音がした。それなりに大きな空間が広がっていて驚いたけど、あの大きな蛇の魔獣が住処にしていたと考えれば納得。
それにしても冷えるな……自分を抱きしめる様に両腕を回した。ロザンナも寒そうに手に息を吹きかけている。あ……と思いマジックバッグから厚手のオーバーサイズのカーディガンを2枚出し、1枚をロザンナに手渡した。想像した洋服を出せるのってすごく便利。この便利機能が使えることをついつい忘れてしまうけど。
水がぷつりぽつりと落ちているところは地面が削れて、少し深めの水たまりができていた。水はとても澄んでいて、透明感が半端ない。
……あれ?
「ロザンナ! 水の中にキラキラしてるものが埋まってるかも!」
洞窟内を歩き回ってるロザンナに声をかけた。
水の中のキラキラに負けないくらい瞳をキラキラさせてロザンナは躊躇うことなく水の中に手を入れた。ロザンナが作業してる間、私は少し離れた場所に座って作っておいたお弁当を出した。凪とロイにも飲み物と食事を用意してみんなで休憩。食事を終えた凪とロイは目を瞑って包まってる。可愛くて凪の体を優しくなでた。前はそうすると少し目を開けチラッと私を見ていたけど、今では目を開けることなく、体を寄せてくれるようになった。信頼されていると思えるからか、すごく嬉しい。
「ロザンナも少し休憩しない?」と声をかけたが、採掘に無我夢中で私の声は届いてないようだ。
「ミオ! 起きて!!」
興奮気味のロザンナの声でハッと目を開けた。こんな場所で寝るなんて……私ってば着実に神経が図太くなってる。
「どうしたの? お腹すいた?」
「そうじゃなくて! まさかのミスリルだったの!!」
天然石ショップに売ってそうな銀色のクリスタルみたいな石を持ちながら、ロザンナは鼻息荒く興奮マックスだった。
「ミスリルって? 凄いの?」
「凄いの!! それもこんなに純度の高いミスリルはなかなかお目にかかれないよ!!」
「そうなんだ……」
ロザンナの興奮度合いを見ると本当に凄い物なんだろうけど、何がどう凄いのか全く分かんない。とにかく、お姉さんのお祝いに渡すプレゼントとしては合格点のようだ。ロザンナは質のいいミスリル鉱石を他にも採掘して、私のマジックバッグで運ぶことにした。何を入れても重さが変わらないって最高。




